掛け持ちのキャストを どう扱うか ── 禁じるかどうかの前に 決める 3 つ
他店と掛け持ちしているキャスト。禁じるか許すかで揉める前に、シフトの押さえ方・客の重なり・情報の扱いを決めます。実務で起きる形と、記録で解ける所と解けない所。
在籍している子が、他の店にも 出ています。
多くの店で 最初に 出る話は「禁じるか、許すか」でございます。 けれど 実務で 困っているのは、その手前の 3 つでございます。
一 シフトを どちらが 先に 押さえるか
二 同じお客様が 両方に 来た時 どうするか
三 何を 話してよくて 何を 話さないか
⭕ この 3 つが 決まっていれば、掛け持ち自体は 大きな問題になりません。 ⛔ 決めずに 禁じると、隠れて 続くだけになります。
この頁の 3 つ
一 シフトの 押さえ方(先着ではなく 締切で 決める)
二 お客様が 重なった時の 形
三 話してよい事の 線
一 シフトを どちらが 先に 押さえるか
起きている事
月曜 …うちに 希望を出す
火曜 …他店の締切が 来て そちらを 埋める
水曜 …うちの希望を「やっぱり出られない」と 変える
⚠️ この形が 続くと、うちの表が 常に 後から 崩れます。
直し方は 締切の 前倒しではございません
⛔ 締切を 1 週間 早める …他店も 早めるだけ。競い合いになる
⭕ 締切を 決めて 動かさない …変更の受け方を 先に 決める
確定と 希望を 分ける
希望 …変えてよい(締切まで)
確定 …変えるには 話が 要る(予約が 乗るため)
⚠️ この 2 つを 同じ所へ 書いている店では、区別が 付きません。 どちらも 同じ見た目なので、現場は 全部を 希望として 扱います。
確定の 後に 変える時の 形
一 いつまでに 言うか(当日 / 前日 / 3 日前)
二 誰に 言うか(1 か所に する)
三 予約が 乗っているか どうかで 分ける
⇒ 予約が 乗っている日は、変更の重みが 違います。 予約の変更が 現場まで 届かない
二 同じお客様が 両方に 来た時
いちばん 揉める所でございます
うちで 指名していた客が、他店で その子を 指名する
→ うちの本指名が 減る
→ 「引き抜かれた」という 見立てになる
⚠️ 実際には 引き抜きでない事が ほとんどでございます。 お客様が 自分で 探して 動いております。
数で 見ると 分かる事
その子の 本指名 …先月 24 → 今月 11
店全体の 本指名 …先月 180 → 今月 176
⇒ 店全体が 減っていなければ、他の子へ 移っています。 減っていれば、外へ 出ています。
⭕ この 2 つを 見ないと、誰の話をしているか 決まりません。
移った先が 分からない時に やってはいけない事
⛔ お客様へ 直に 訊く
⛔ 他店の 在籍を 見て 本人へ 当てる
⚠️ どちらも お客様と 本人の 両方を 失う形でございます。 訊くなら 本人へ 1 度だけ、責めずに 訊く形でございます。
店として 打てる手
一 その子以外でも 来る理由を 作る(コース・イベント)
二 指名の引き継ぎを 形にしておく(辞めた時に 効きます)
三 何を 話してよいか
線が 引かれていない店で 出る物
お客様の 名前と 好み
料金の 決め方
シフトの 組み方
求人の 条件
⚠️ このうち お客様の情報だけは、店の話ではございません。 個人の情報の 扱いでございます。
⭕ 他の 3 つは、外へ 出ても 店が 傾く物では ございません。 料金も 求人も、もともと 表に 出ております。
先に 決めておくと 静かになります
一 お客様の 名前・連絡先・好みは 外へ 出さない(これだけ)
二 それ以外は 特に 決めない
⛔ 全部を 禁じると、守られているか 分からなくなります。 ⭕ 1 つに 絞ると、守れているかが 見えます。
ゲストノートの 扱い
店の記録に 残っている物 …店の物
本人の頭の中に 在る物 …分けられない
⚠️ 分けられない物を 契約で 分けようとすると、実務で 動きません。 ⇒ ゲストノートに 何を書くか
掛け持ちを 禁じている店で 起きている事
禁じても 減りません
禁じる → 言わなくなる → 把握できなくなる
⚠️ 把握できない方が、シフトは 崩れます。 いつ 他店に 出ているか 分からないためでございます。
申告してもらう形の 方が 回ります
⭕ 「他店に 出るなら 曜日だけ 教えてほしい」
⛔ 「他店に 出るな」
⇒ 曜日が 分かれば、その曜日を 外して シフトを 組めます。 店の側の 損は、それで ほぼ 消えます。
実際に 効いた形(実務でよく見る)
一 週の うち 何日 うちに 出るかを 決める(曜日は 決めない)
二 決めた日数を 下回った月は 話をする
⭕ 日数で 縛ると、掛け持ちの有無を 問わずに 済みます。
他店から 来た子を 受ける側の 話
同じ形は こちらが 受ける側でも 起きます。
他店に 在籍したまま うちへ 来る
→ うちが 掛け持ち先になる
→ 向こうの店は「引き抜かれた」と 見る
⚠️ 在籍の確認を していない店では、後から 揉めます。
受ける時に 訊く 2 つ
一 いま 他店に 出ているか(責めずに・出ていて 構わない前提で)
二 出せる曜日は どこか
⭕ 一 を 訊かない店ほど、シフトが 後から 崩れます。 ⛔ 「出ていない」を 前提に 表を 組むと、初月で 破れます。
数えておく 3 つ
一 その子の 出勤日数(月ごと)
二 その子の 本指名の数(月ごと)
三 店全体の 本指名の数(月ごと・比べる元)
⚠️ 三 が 無いと、一 と 二 の増減が 何の話か 決まりません。
掛け持ちが 増える時期には 形が ございます
形 1 …繁忙の 谷
うちの 出勤枠が 減る月(2 月・8 月 など)
→ 稼ぎが 落ちる
→ 他店で 埋める
→ そのまま 慣れる
⚠️ 谷の月に 枠を 絞った店ほど、掛け持ちが 定着します。 枠を 絞るのは 正しい判断でございますが、その月に 話をしておく要がございます。
形 2 …指名が 止まった直後
本指名が 2 か月 続けて 落ちた
→ 本人が 先に 気づいている
→ 誰にも 相談せず 他店を 試す
⇒ 店より 本人の方が 先に 気づいております。 指名が 止まった時 誰も気づかない
形 3 …新人が 3 週目に 入った頃
最初の 2 週 …教わる事が 多く 忙しい
3 週目 以降 …指名が まだ 付かず、待機が 長い
⇒ 新人が 3 週間で 辞める 掛け持ちは、辞める前の 段である事が ございます。
1 か月 数えた例(在籍 14 名・掛け持ち 4 名)
出勤日数 本指名 店全体に占める割合
掛け持ち A 8 日 14 件 7.9%
掛け持ち B 6 日 3 件 1.7%
掛け持ち C 12 日 21 件 11.9%
掛け持ち D 4 日 1 件 0.6%
専属の 10 名 平均 15 日 計 138 件 78.0%
合計 177 件
⚠️ この数を 出す前は「掛け持ちの子が 店を 弱くしている」と 見えておりました。
実際 …C は 出勤 12 日で 21 件。専属の平均(13.8 件)より 多い
D は 出勤 4 日で 1 件。掛け持ちの前から この形だった
⭕ 掛け持ちかどうかは、数の説明に なっておりません。 説明しているのは 出勤日数の方でございます。
⇒ 分母の揃え方は 稼働率の見方 と 同じ考え方です。
この表を 作る時の 落とし穴
⛔ 掛け持ちの子だけを 並べる …比べる元が 無い
⭕ 全員を 並べて 印だけ 付ける …差が 出るか どうかが 見える
⚠️ 見たい側だけを 数えると、たいてい 見たい形が 出ます。
よくある問い
契約で 禁じられますか
⚠️ 契約の書き方と 法の判じは 弁護士の席でございます。 実務として 申し上げられるのは、禁じても 把握は できないという所だけです。
他店の 名前を 訊いてよいですか
訊く要は ございません。曜日だけで シフトは 組めます。 名前を 訊くと、話しづらい形になります。
情報が 出た形跡が 在ります
⚠️ お客様の情報が 外へ 出た場合は、店の側の 責でございます。 誰が 出したかより 先に、どこから 引けたかを 見てくださいませ。 ⇒ 記録を 誰が 引けるかの話です。顧客台帳に 何を残すか
掛け持ちの子は 辞めやすいですか
数で 見た方が 早うございます。 出勤日数が 減り始めた月が、たいてい 前に 出ます。
揃える 順(2 週)
1 週目 …希望と 確定を 分けて 記録する。出せない曜日だけ 申告してもらう
2 週目 …全員の 出勤日数と 本指名を 並べる(掛け持ちの印は 後から 付ける)
⚠️ 1 週目に 話をしないでください。 数が 無いまま 話すと、心証の 言い合いになります。
⭕ 2 週目の 表が 出てから、必要な子とだけ 話す形が 続きます。 たいてい 話す要のある子は 1 名か 2 名でございます。
⚠️ 中身については 専門の方へ
契約の 定め(専属・競業) …弁護士
雇用か 業務委託か …社会保険労務士・弁護士
個人の情報の 扱い …弁護士
この頁で 扱ったのは シフトと 数え方の 形だけでございます。
タステックの話
出勤の 予定と 実績、指名の数は 同じ所に 残ります。 月ごとに 並べると、その子の数と 店全体の数を 一度に 見られます。
今週やること
一 希望と 確定を 分けて 記録する
二 出せない曜日だけを 申告してもらう形にする
三 本指名を その子と 店全体の 両方で 数える