苦情は 現場で 消えている ── 上へ 届く前に 終わっている 4 つの筋
月に 何件 苦情が 出ているかを 言える店は ほとんど ありません。0 件だからではなく、現場で 収まって 誰にも 伝わっていないからです。消える筋と、拾える形を 実務の順で 並べました。
「先月 苦情は 何件 ありましたか」と 訊くと、ほとんどの店で 答えが 返りません。**0 件だからでは ありません。**その場で 収まり、誰にも 伝わっていないからです。
そして 収めたのは たいてい 現場の判断で、その判断は だいたい 正しく、正しいからこそ 上へ 上がる理由が 一つも ありません。
先に 要点だけ
- 苦情が 上がらないのは 起きていないからでは なく、その場で 収まっているから
- 収めるのは 正しい。ただし 収めた事が 残らないのが 効く
- いちばん 重いのは 同じ苦情が 二度 来ても 一度目だと 扱われること
なぜ 現場で 消えるのか
四つの筋が あり、どれも 誰かが 悪い訳では ありません。
その場で 収まったから
言われた側が 謝り、直し、客が 納得した。**それで 終わっています。**終わった事を 報せる理由は、現場の側には ありません。
⇒ そして 報せる形が 無い店では、報せる方が 手間です。手間を 掛けてまで 済んだ事を 伝える人は 居ません。
言えば 自分の落ちに なるから
苦情の多くは **誰かの手が 関わっています。**伝えれば 自分か 仲間の話に なると 感じれば、伝わりません。
⚠️ ここが いちばん 大きい筋です。上げても 責められないと 分かっている店にしか 上がりません。
上げる先が 無いから
誰に 言えばよいか 決まっていない店では、その日の 責任者に 言うか 言わないかの話に なります。翌日 別の人が 立てば、そこで 切れます。
そして 客が 言っていないから
⚠️ いちばん 多いのは これです。客は 言わずに 帰り、二度と 来ません。店の側は 何も 知らないまま、来なくなった事だけが 残ります。
消えると 何が 起きるか
四つの所へ 効きます。金額より 先に 効くのは 三つ目です。
同じ物が 二度 来ても 一度目に 見える
同じ苦情が 別の日に 別の人へ 来ても、**繋がりません。**一件ずつ 収まって、一件ずつ 消えます。
⇒ ⇒ 三件 溜まって 初めて 見える形(同じ時間帯・同じ席・同じ手順)が、永久に 見えません。
直せる物が 直らない
苦情の多くは 仕組みの話です。待たせる導線、伝わらない案内、足りない人手。
現場が その場で 収めると、収まる分だけ 直す動きが 起きません。⇒ 現場の力量が 高い店ほど、この形に なります。
直した人が 疲れる
同じ苦情を 毎晩 収めている人が 居ます。その人は 上へ 上げていないので、店の側から見ると 何も 起きていません。
⇒ 辞める時に この理由は 言われません。「シフトが 合わなくて」と 言われます。
⇒ シフトを 誰が どう決めるか ── 不満が出る所は だいたい 同じ 3 つ
外に だけ 残る
店に 記録が 無く、客の側に 記憶が 残る形です。後から 何か 言われた時、こちらの側に 何も ありません。
拾う形は 三つだけ
集めようとすると 続きません。拾える形にします。
一 報せるのが【三十秒】で 済む形にする
手書きでも 一言でも 構いません。書式を 作らないのが 肝です。何が あったかを 一行、それだけ。
⚠️ 訳を 書かせる形に すると、**訳を 説明できる物しか 上がりません。**いちばん 拾いたいのは「よく 分からないが 何か 言われた」の方でございます。
二 上げても 責めない、を 先に 言っておく
**これを 言っていない店には 上がりません。**言った上で、上がってきた最初の数件を 一度も 個人の話に しない事で 初めて 定着します。
⇒ 逆に 一度でも 個人の話に すると、その後 半年 上がりません。
三 締めの時に 一言 訊く
「今日 何か ありましたか」を 毎晩 一度。**訊かれれば 答えます。**訊かれなければ、済んだ事を わざわざ 言う人は 居ません。
⇒ この一言だけで 拾える量が 変わる、という所が 実務の中心でございます。
何を 残すか
四つで 足ります。多くすると 書かれません。
いつ・どこで
日と 時間帯、席か 場所。**時間帯が いちばん 効きます。**三件 溜まると、同じ時間に 寄っている事が よく あります。
何を 言われたか
客の言葉のままが 良うございます。まとめると、まとめた人の解釈が 入り、後から 別の読み方が できなくなります。
誰が 受けたか
責める為では ありません。同じ人に 集まっていれば、その持ち場に 何か 在るという事です。人ではなく 持ち場を 見ます。
どう収めたか
ここが 抜けやすい所です。収め方が 残っていれば、次に 同じ事が 起きた時に 同じ手が 使えます。
⇒ 収め方が 残っていないと、毎回 その場で 考え直す形に なります。
業種で 出る所が 違います
同じ苦情でも、出やすい所は 業態で 決まっています。
送迎の在る店
待ち時間と 到着の刻に 集中します。しかも 言われるのは 現場の運転手で、店に 伝わりません。
⇒ 運転手から 上がる道が 在るかどうかが 分かれ目です。無い店では、この種の苦情は 一件も 記録に 残りません。
指名が 中心の店
相手との 関わりの話が 多く、いちばん 上げにくい形です。当人が 受けて 当人が 収めるので、店は 知りません。
⚠️ ここは 特に「責めない」を 先に 立てておかないと 上がりません。
予約が 中心の店
伝わっていない・変わっていたが 多くを 占めます。⇒ 記録の側の話ゆえ、拾えば そのまま 直せる物が 多うございます。
⇒ ゲストノートは 何を書けば 効くのか ── 書く欄を作っても 埋まらない店の共通点
立ち寄りが 中心の店
その場で 終わり、二度と 来ない形が いちばん 多うございます。⇒ 拾える量が いちばん 少なく、代わりに 来なくなった事から 逆に 読む形に なります。
苦情と 呼ぶ前に 分ける 二つ
一つの言葉で 括ると、手当ての向きが 混ざります。受けた時点で 二つに 分けます。
一 起きた事への 苦情
待たされた、間違っていた、伝わっていなかった。仕組みを 直せば 消える物です。
⇒ こちらは 数が 溜まるほど 直しやすくなります。三件 同じなら もう 直せます。
二 扱われ方への 苦情
言い方、目の合わせ方、後回しにされたと 感じた事。同じ出来事でも こちらが 混ざると 重さが 変わります。
⚠️ 二の方は 数が 少なくても 重いので、溜まるのを 待ちません。一件でも 上がったら その場で 見ます。
分けると 何が 変わるか
一は 段取りの話として 現場と 一緒に 直せます。二は 人の話に なりやすいので、扱いを 変える要が あります。
⇒ 混ぜたまま 数えると、二が 一の中に 埋もれ、いちばん 重い物が いちばん 見えなくなります。
⇒ NG と 出禁の決め方 ── その場の判断で 出すと 二度 揉めます
溜まった後に 何を 見るか
一件ずつ 見ても 出てきません。並べて 初めて 出ます。
時間帯で 割る
同じ時間に 寄っていれば、人ではなく 段取りの話です。人手の置き方か、その時間の 流れの作りに 元が 在ります。
場所で 割る
同じ席、同じ入り、同じ導線。三件 同じ所なら それは 場所の話で、直せば 消えます。
受けた人で 割る
⚠️ **人を 責める為では ありません。**同じ人に 寄っていれば、その持ち場が 苦情の 通り道に なっている、という事です。
⇒ 多くの場合、その人は いちばん 前に 立っているだけでございます。
収め方で 割る
同じ収め方が 効いているなら、それを 皆に 渡します。効いていない収め方が 繰り返されているなら、そこを 変えます。
その場で 収める人へ 渡しておく 三つ
拾う形を 作っても、**その場の判断は 現場に 残ります。**渡しておくと 楽に なる物が 三つ あります。
一 自分の判じで 出せる範囲
「これは 自分で 決めてよい」の線を 先に 引いておきます。金額でも 手でも 構いません。
⇒ 線が 無いと、**現場は 毎回 迷い、迷った分だけ 客を 待たせます。**そして 迷った末に 出した物は、たいてい 線が 在った時より 大きくなります。
二 上へ 回す合図
自分の範囲を 超えた時に、**誰へ どう 渡すか。**その場で 探す形では 間に合いません。
⚠️ ここが 決まっていない店では、超えた案件を **現場が 自分の範囲で 収めようとします。**それが いちばん 危うい形でございます。
三 収めた後に 何を 書くか
四行で 足ります。⇒ 収める前に「後で 四行 書く」と 分かっていれば、**その場で 見る所が 変わります。**時刻を 見て、席を 覚え、言われた言葉を 拾います。
⇒ 壊れた時に 誰が 何を するか ── 直す費えより 止まる費えが 大きい
言われていない苦情を どう拾うか
いちばん 多いのは 言わずに 帰る客でございます。ここは 拾い方が 別に なります。
来なくなった人から 逆に 読む
来ていた人が 来なくなった日を 並べると、同じ週に 何人か 重なっていることが あります。その週に 何かが 在ったという事です。
⇒ 苦情としては 一件も 上がっていなくても、離れは 記録に 残っています。
外に 書かれた物と 突き合わせる
外へ 書く人は 端の人だけですが、**書かれた中身は 現場で 消えた物と 重なります。**外に 一件 出たら、店の中に 同じ物が 何件か 在ったと 見ます。
現場に「言われそうだった事」も 訊く
⭕ ここが 効きます。「言われた事」だけを 訊くと 少ししか 出ませんが、「言われそうだったが 言われなかった事」を 訊くと 倍 出ます。
⇒ 現場は たいてい **気づいています。**言われていないので 報せる理由が 無かっただけでございます。
そして 自分で 一度 客として 通る
⚠️ 月に 一度、**入りから 帰りまでを 客の側で 通ります。**現場に 居ると 見えない所が、外から 入ると 一度で 見えます。
よくある 抜け
件数を 数え始めた月に「増えた」と 読む
⚠️ **拾い始めれば 必ず 増えます。**それは 苦情が 増えたのではなく、見えるようになっただけです。
⇒ ここで「悪くなった」と 読むと、上げた人が 責められ、翌月から また 消えます。最初の三か月は 数を 見ないのが 実務でございます。
大きい物だけ 拾う
「大した事ないので」で 落ちる物が いちばん 多く、しかも 繰り返しているのは そちらです。
収まった物を 拾わない
「収まったなら 要らない」と していると、**繰り返しが 見えません。**収まった事こそ 残します。
そして 拾った後に 何も しない
⚠️ **一度でも「上げても 何も 変わらない」と 分かると、止まります。**拾い始めたら、最初の数件は 必ず 何かを 動かすことでございます。
拾い始めてからの 三か月
始めた後の 動きが 決まっていないと、たいてい 二か月で 止まります。段を 置いておきます。
一か月目 …数を 見ない
上がってきた物を **ただ 受け取ります。**評さない、比べない、責めない。
⚠️ ここで 一件でも「なぜ そうしたのか」と 訊くと、翌週から 半分に なります。最初の月は 受け取るだけが 実務でございます。
二か月目 …一つだけ 直す
溜まった中から、いちばん 数の多い物を 一つだけ 直します。二つ 三つ 手を 出すと どれも 中途で 終わります。
⇒ そして 直した事を 上げてくれた人へ 戻します。「あれ、直しました」の 一言が、次の月の 量を 決めます。
三か月目 …初めて 並べて 見る
ここで 時間帯と 場所と 受けた人で 割ります。**三か月 溜まって 初めて 偏りが 出ます。**一か月では 数が 足りません。
そして 四か月目からは 月に 一度で 足りる
毎週 見る要は ありません。月に 一度、四行の並びを 眺めるだけで 続きます。手間が 増えると 止まりますゆえ。
三つだけ 持ち帰るなら
1 上がらないのは 起きていないからではなく、その場で 収まっているから
2 拾う条件は 二つ ── 三十秒で 済む事と、上げても 責められない事
3 拾い始めた月に 増えるのは 当たり前。最初の三か月は 数を 見ない
記録が どこに あるべきか
いつ・どこで・何を 言われ・誰が 受け・どう 収めたか ── この五つが 同じ場所に 並んでいれば、三か月で 時間帯と 場所の 偏りが 出ますし、後から 何か 言われた時にも こちらの側に 記録が 残ります。
別々の場所に あると、一件ずつ 収まって 一件ずつ 消え、同じ苦情が 三度 来ても 三度とも 一度目として 扱われます。