延長は 現場が いちばん 判じにくい ── 決めておく 5 つ
延長の可否は、次の予約・ドライバーの戻り・キャストの都合が同時に絡みます。その場に居る人がいちばん情報を持っていない場面で、いちばん早く答えを求められます。誰が判ずるか、何分で答えるか、料金と取り分をどう置くかを整理しました。
「あと 30 分、延長できますか」
この問いに、いちばん答えにくいのは現場です。
次の予約が入っているか、ドライバーが空くか、キャストが続けられるか。**3 つとも、その場に居る人は知りません。**なのに、その場で答えを求められます。
要点
- 延長は 現場がいちばん情報を持っていない場面
- 決めるのは 5 つ …誰が判ずる / 何分で答える / 料金 / 取り分 / 断り方
- 「その場で判ずる」形にすると、取れるはずの延長を落とします
- 延長の料金は、基本より高い率をキャストへ置くと受けやすくなる
- 断った回数を数えると、台数か シフトの問題が見えます
1 行で言うと
| 決める事 | 決めていないと |
|---|---|
| 誰が判ずるか | 現場が 断る方へ 寄る |
| 何分で答えるか | お客様を 待たせる |
| 料金 | その場で 言う形に なる |
| 取り分 | キャストが 受けたがらない |
| 断り方 | 断り方で 揉める |
1 行目が芯です。
なぜ 現場は 断る方へ 寄るか
受ける …次の予約が 飛ぶかもしれない(責任を 負う)
断る …何も 起きない(責任を 負わない)
⚠️ 判ずる人にとって、断る方が安全です。⇒ その場で判じさせると、取れる延長を落とし続けます。
⇒ **判ずるのは受付か責任者。**次の予約と配車の両方が見える人が判じます。
一 誰が 判ずるか
⭕ 受付(次の予約と 配車が 見える)
🔴 キャスト本人(続けられるかは 判じられるが、次の予約は 見えない)
🔴 ドライバー(戻りは 判じられるが、予約は 見えない)
⚠️ キャストに判じさせている店が多い所です。本人は「受けたい」と思っても、次を知らないので断ります。
本人の意思は 別に 聞く
受付が 判ずるのは 「店として 受けられるか」
本人に 聞くのは 「続けられるか」
**2 つを混ぜないことが要ります。**受付が「受けられます」と言っても、本人が続けられないなら受けません。
二 何分で 答えるか
延長はお客様が待っています。
⭕ 3 分以内に 答える(決めておく)
🔴 「確認します」で 10 分(その間に 気が 変わる)
⚠️ 10 分待たせると、半分は流れます。
⇒ 3 分で答えるには、受付の画面に 次の予約と配車の空きが同時に出ている要があります。
戻りの時間が次の 1 本を決める話は 配車で売上を決めているのは「戻りの時間」です に書きました。延長の可否は、その戻りを 30 分 後ろへずらす判断です。
三 料金
一 単位(30 分 / 60 分)
二 額
三 深夜に 入った時の 扱い
⚠️ **三が抜けやすい所です。**延長で深夜帯に入った時、深夜料金が付くのか付かないのか。
⇒ **延長だけ別の数え方にすると、そこが抜け道になります。**深夜料金のまたぎの数え方は 深夜料金を 乗せると、乗せた分だけ 揉めます に書きました。延長も同じ数え方に揃えます。
四 取り分 ── 基本より 高く
延長は、キャストの手間が直接 増えます。
基本 60% / 延長 60% …同じ率で 手間だけ 増える ⇒ 受けたがらない
基本 60% / 延長 70-80% …受ける動機が 立つ
⚠️ 延長を増やしたい店が、延長を基本と同率にしているのは噛み合っていません。
層ごとに率を分ける考え方は バック率は 1 つの数ではない にまとめました。延長はオプションの層に入ります。
ドライバーの側も
延長すると、ドライバーの待ちも伸びます。
一 待ちが 伸びた分を どうするか
二 その間に 別の 1 本を 回すか
⚠️ **二ができる形なら、延長は店にとって得です。**できない形なら、延長の料金が待ちの分を含んでいる要があります。
原価の見方は ドライバーの原価を「1 本いくら」で見ていると、人を減らす方へ効きます に書きました。
五 断り方
🔴「無理です」 …理由が 無い
🔴「次が 入っているので」 …次のお客様の 存在を 伝えている
⭕「申し訳ございません。本日は お時間の 都合で 承れません」
⚠️ 二つ目を使っている店が多い所ですが、次のお客様が居ることを伝えるのは、要らない情報です。
断った後に 足す 1 行
「次回 お取りする際に、長めの コースを ご用意いたします」
断りっぱなしにしないと、次に繋がります。
受付の 横に貼る 4 行
────────────────────────
延長の お申し出
一 判ずるのは 受付(キャスト本人・ドライバーは 判じない)
二 3 分以内に お答えする
三 料金 …30 分 ○円(深夜に 入る時は 深夜料金も)
四 断る時 …「お時間の 都合で 承れません」+ 次回の ご案内
⇒ 本人に 聞くのは「続けられるか」だけ。
────────────────────────
数えておく 3 つ
一 延長の お申し出が 何件 来たか
二 うち 受けたのは 何件か
三 断った理由(次の予約 / 配車 / 本人の都合)
⚠️ **三が要ります。**理由で、直す所が分かれます。
| 断った理由が多い所 | 直す所 |
|---|---|
| 次の予約 | 予約の 間隔(詰めすぎ) |
| 配車 | 台数(送迎を 何台で回すか) |
| 本人の都合 | シフトの 長さ / 取り分 |
⇒ **二が低いのに三を数えていない店は、延長の料金を下げようとします。**料金の問題ではないことが多い所です。
よくある詰まり所
「延長を 断ると 次が 来ない」
そういう面はあります。⇒ だからこそ 断り方と 次回のご案内が要ります。断ったこと自体より、断り方で決まります。
「キャストが 延長を 嫌がる」
取り分の話であることが多い所です。⇒ 四(基本より高く)を見ます。
「延長の 途中で さらに 延長と 言われた」
同じ手順で判じます。⚠️ 2 回目は 1 回目より断りにくくなるので、回数の上限を先に決めておくと現場が楽になります。
まとめ
- 延長は 現場がいちばん情報を持っていない場面
- **判ずるのは受付。**キャスト本人・ドライバーに判じさせない
- **3 分以内に答える。**10 分待たせると半分が流れる
- 延長の取り分は 基本より高く。同率だと受けたがらない
- 断り方は 次のお客様の存在を伝えない
- **断った理由を数える。**理由で直す所が分かれる
**その場で判じさせている店は、取れる延長を毎日 落としています。**判ずる場所を、受付へ動かします。