送迎の途中で 事故が 起きた時 ── 最初の一時間に 誰が 何を するか
深夜、送迎の車が 事故に遭う。乗っているのは 従業員か 客か、車は 誰の名義か、その時 店に 連絡は 来るのか。備えの中身と、最初の一時間の 段取りを 実務の順で 並べました。保険と法の判断は 保険会社と 顧問弁護士の側です。
深夜二時、送迎の車が 事故に遭ったという連絡が 入ります。相手が いるのか、怪我人が いるのか、乗っていたのは 誰なのか ── 最初の数分で 分かることは ほとんど ありません。
そして その数分で 決まることが たくさん あります。**誰に 連絡するか、車を どうするか、乗っていた人を どうするか。**決まっていなければ、その場に いる一人が 全部 判断することに なります。
⚠️ この頁で 書けないこと
**保険が どこまで効くか、誰の責任に なるか、届け出は 何が 要るか ── これらは 保険会社と 顧問弁護士の判断でございます。**車の使い方(自家用か 事業用か)、名義、乗せていた人の立場で 答えが 変わり、間違えた時の重さも 商いの話では 済みません。
**この頁は それでは ありませんし、その代わりにも なりません。**先に 保険会社と 顧問弁護士へ 訊き、自店の答えを 書き出して おいてください。
ここで 書くのは 運用の半分だけ ── 最初の一時間に 誰が 何を するか、そして 後から 効く記録の話です。
先に 要点だけ
- 決めておく要が あるのは 三つ(誰に 掛けるか / 現場で 何を するか / 何を 残すか)
- いちばん 抜けるのは 乗っていた人の その後(帰る手だて・翌日の連絡)
- 記録が 無い店は、相手の記録だけで 語られます
なぜ 夜の送迎で 難しいか
同じ事故でも、昼の商用車と 夜の送迎では 段取りの難しさが 違います。理由は 三つ あります。
連絡できる人が 少ない
深夜二時に 電話が 通じる相手は、昼と 比べて 圧倒的に 少なくなります。保険の受付・修理の手配・代わりの車 ── どれも 夜間の窓が 別で、そこを 調べるのは その場では 遅すぎます。
乗っているのが 従業員とは 限らない
キャストが 乗っている、客が 乗っている、両方 乗っている ── **立場が 違えば 手当ても 違い、記録すべきことも 違います。**その場で 判断できることでは ありません。
店は 現場に いない
事務所に いる人は 現場を 見ていません。見ていない人が 判断するには、現場から 何を 伝えてもらうかを 決めておく必要が あります。決めていなければ、伝わるのは その人が 伝えようと 思ったことだけです。
決めておく 三つ
ここが この頁の 中心です。三つとも 書き出して A4 一面で 済み、決めるのに 30 分 掛かりません。
一 誰に 掛けるか、順番で
**一人ではなく、順番で 三人まで。**深夜に 一人目が 出ないことは 普通に 起こります。
一番目 …その夜の 責任者(名前で。役職ではなく)
二番目 …出なければ 次
三番目 …出なければ 次
**役職で 書くと、その夜 誰が それなのかを 現場が 知りません。**名前と 番号で 書きます。
二 現場で 何を するか(何を しないか も)
**怪我の有無と 通報は 安全の話でございます。**何を すべきかは 警察・消防・保険会社の 指示に 従う所で、店が 決める所では ありません。先に 訊いて、答えを そのまま 渡してください。
店として 決められるのは その周りの運用です。
車を 動かしてよいか、動かすなら 誰の指示で
乗っていた人を どうするか(その場に 残すか、別の車を 出すか)
残りの送りを どうするか(当夜の 予約を 誰が 動かすか)
三 何を 残すか
後から いちばん 効きます。四行で 足ります。
いつ(時刻)/ どこで / 誰が 乗っていたか / 何を したか
**その夜のうちに。**翌日に なると 記憶は 話に 変わります。
いちばん 抜けるのは「乗っていた人の その後」
段取りを 作った店でも、ここだけが 抜けていることが よく あります。
その人は どうやって 帰るか
事故の処理が 終わった後、**その人は まだ 深夜の路上に います。**車は 動かせないかもしれません。
代わりの車を 出すのか、別の手だてを 使うのか。決めていないと、その場の判断で 一人で 帰すことに なります。
翌日 誰が 連絡するか
その日は 大丈夫でも、翌日に 痛みが 出ることは あります。翌日に 一度 連絡すると 決めておくだけで、後から 分かる話が 早く 分かります。
**誰が 掛けるかを 決めておきます。**決めていないと、全員が「誰かが 掛けただろう」と 思います。
客が 乗っていた場合
**立場が まったく 違います。**その方への 連絡・お詫び・後日の扱いを その場で 考えるのは 無理です。
誰が 判断するかだけ 決めておくのが 現実的です。中身は その場で 決まりませんが、決める人が 決まっていれば 手が 止まりません。
そして ドライバー本人
事故の後、同じ人が 翌日も 同じ道を 走ります。次の出勤で 一度 話すと決めておくと、辞めるか 続けるかが 静かに 決まるのを 防げます。
起きる前に 揃えておく物
事故が 起きてから 探すことに なる物です。全部 30 分で 揃います。
車ごとの 基本の控え
**車検証の写し・保険の証・保険会社の 夜間の連絡先。**車の中と 事務所の 両方に。
⚠️ 車の中だけ に 置くと、車ごと 運ばれた時に 手元から 消えます。
誰が どの車を 使ってよいか
**名前と 車の対応。**免許の確認を いつ したかも 一緒に 残します。
⛔ **免許・保険の要件は 保険会社と 顧問弁護士の側でございます。**ここで 書けるのは「一覧を 持っておく」までです。
⇒ 鍵と金庫は 誰が持っているか ── 辞めた人の分を 数えていますか
その夜 誰が どの車で 出たか
**これが 無いと、事故の連絡を 受けても 誰が 乗っているか 分かりません。**配車の記録に 車と 人が 入っていれば そのまま 使えます。
代わりの車の あて
**一台 止まると その夜の送りが 崩れます。**どうするかを 決めていない店が 多く、実際には その夜の残りを 断ることに なります。
その夜の 商いを どうするか
事故の対応と 同時に、**残りの営業が 動いています。**ここも 決めておく所です。
誰が 予約を 動かすか
事故の対応をしている人と、予約を 動かす人は 別の人にします。同じ人が 両方を やると どちらも 遅れます。
どこまで 受けるかの 線
車が 一台 減った状態で、どこまで 受けるか。その場で 決めると 受けすぎます。「一台 減ったら 何時以降は 受けない」を 先に 決めておくと 迷いません。
⇒ 待機率を 数えると シフトの決め方が 変わる ── 稼働率との 違いと 使い分け
客に 何を 伝えるか
**遅れる、という事実だけ。**事故の中身を 伝える要は ありませんし、伝えると 話が 独り歩きします。
翌日の シフトを どうするか
当人が 出られない前提で、**翌日の穴を 誰が 埋めるか。**その夜のうちに 決めておくと、翌朝の慌ただしさが 半分に なります。
⇒ シフトを 誰が どう決めるか ── 不満が出る所は だいたい 同じ 3 つ
事故では ない止まり方も 同じ段取りで 済みます
深夜に 車が 止まる理由は 事故だけでは ありません。段取りは ほぼ 同じですので、一つ作れば 全部に 効きます。
故障で 動かなくなる
バッテリー、タイヤ、警告の表示。事故と 違って 相手が いない分 楽ですが、乗っている人と 残りの送りの問題は まったく 同じです。
修理の手配先を 夜間の窓つきで 持っているかが 分かれ目に なります。加入している支援の内容も、必要になってから 調べると 深夜の 30 分が 消えます。
取り締まりで 止められる
駐停車、指定の場所、深夜の検問。その場の対応は 運転している人の話ですが、店として 決まっていない事が 一つ あります ── その間 待っている客に 何を 伝えるか、です。
車が 運ばれる
事故でも 違反でも、車が その場から 動かされることが あります。車の中に 置いてある物が 一緒に 行きます。
⚠️ ですから 控えは 車の中だけ に 置かないという所が 効いてきます。上でも 書きましたが、抜けやすい所ゆえ 二度 書きます。
天気で 動けなくなる
雪、大雨、通行止め。一台の話ではなく その夜 全部の話に なりますので、これだけは 別に 決めておきます。「この状態に なったら 送りは 止める」という線を 先に 引いておくと、その場で 一人が 判じる形に なりません。
業種で 何が 変わるか
同じ送迎でも、車の立場が 違うと 段取りが 変わります。自店が どれに 近いかで 読み替えてください。
店の車で 従業員が 運転する
いちばん 段取りが 作りやすい形です。車も 人も 店の側ですので、連絡・記録・翌日の扱いを すべて 店が 決められます。
その代わり 備えの一切が 店の仕事でございます。上に 並べた四つの控えは、この形では 全部 店が 持ちます。
委託の運転手が 自分の車で 走る
車の名義も 保険も 相手の側です。⛔ この形で 何が どう効くかは、契約の中身と 保険の話でございます。顧問と 保険会社へ 先に 訊いてください。
⚠️ 店として 決められるのは、連絡が 来る道が 在るかだけです。相手の車で 相手が 事故に遭った時、店に 連絡が 来る決めに なっているか ── ここが 抜けている店が 多うございます。
客の車・代行を 使う
送迎を 自前で 持たない形でも、その夜 客が どうやって 帰ったかは 店の話に なり得ます。⇒ 少なくとも 誰を どこへ 送る手配を したかは 残しておきます。
台数が 少ない店
一台か 二台の店では、**一台 止まると その夜が 半分 止まります。**代わりの車の あてを 持っているかが、他の どの決めより 効きます。
後から 効いてくる 記録
一年後に 効く物が あります。ここを 軽く見ると、同じ事が 二度 起きます。
起きた場所
同じ交差点、同じ細い道、同じ時間帯 ── **三件 溜まると 場所が 見えます。**一件ずつ 見ていると 偶然に 見えます。
起きた時刻
深夜の 決まった時間に 集中していれば、それは 運転ではなく 段取りの話です。連続で 何本 走った後だったかも 一緒に 残します。
走っていた本数
**その夜 何本目だったか。**疲れの話に なるのは この数が 在る時だけで、無ければ 印象の話に なります。
⇒ ドライバーの原価を「1 本いくら」で見ていると、人を減らす方へ効きます
車ごとの 履歴
同じ車で 続いていれば、運転ではなく 車の話かもしれません。整備の記録と 並べて 初めて 分かります。
⇒ 壊れた時に 誰が 何を するか ── 直す費えより 止まる費えが 大きい
一時間の 段取りを 一面に する
上の全部を 覚える要は ありません。A4 一面に して、事務所と 車の 両方に 置くだけで 足ります。中身は これで 十分です。
上半分 …掛ける先
三人の 名前と 番号、保険会社の 夜間の窓、修理の手配先。役職ではなく 名前で 書きます。
その夜の 責任者が 誰かは 日ごとに 変わりますので、そこだけ 書き換えられる形にしておくと 続きます。毎日 書き直す形に すると、三日で 止まります。
下半分 …その場で 決めない事
車を 動かしてよいか、乗っている人を どうするか、残りの送りを どう捌くか。答えではなく「誰が 決めるか」を 書きます。
答えは 場面で 変わりますが、決める人は 変わりません。⇒ 決める人が 書いてあれば、現場の一人が 抱え込む形に なりません。
裏 …その夜に 書く四行
いつ・どこで・誰が 乗っていたか・何を したか。空欄を 印刷しておくと、書く率が 上がります。
⚠️ 何も 印刷していない所に「四行 書いてください」と 言っても 書かれません。書く場所が 在るかどうかが、書かれるかどうかを 決めます。
三か月に 一度 見る
番号は 変わり、人は 辞めます。古い一面は 無い一面と 同じです。三か月に 一度、名前と 番号だけ 見れば 十分でございます。
よくある 抜け
連絡先が 一人しか 書いていない
深夜に 一人目が 出ない事は 普通に 起こります。一人だけの一覧は 一覧では ありません。
控えが 車の中だけ に 在る
上でも 触れましたが、これが いちばん 多い抜けです。車ごと 運ばれると 何も 残りません。
誰が 乗っていたかが 後から 出せない
配車の記録に 車と 人が 結びついていない店では、**電話を 受けてから 探すことに なります。**探している間に 時間が 経ちます。
決めたのに 現場が 知らない
段取りを 作った店でも、作った事を 現場が 知らないことが あります。事務所の引き出しに 入っているだけでは、深夜二時の 運転席からは 届きません。
新しく 入った人に 入った日に 一度 見せるだけで、この抜けは ほぼ 消えます。中身を 覚えてもらう要は ありません。在る事と 置き場所を 知っていれば 十分でございます。
そして 記録が その夜に 書かれない
翌日 書いた記録は 記録では なく 記憶です。四行で 足りるのは、その夜に 書く前提だからでございます。
三つだけ 持ち帰るなら
1 掛ける先は 名前で 三人まで。役職で 書くと 現場が 誰か 分からない
2 いちばん 抜けるのは【乗っていた人の その後】── 帰る手だてと 翌日の連絡
3 四行を その夜に。翌日に 書いた物は 記憶であって 記録では ない
記録が どこに あるべきか
その夜 誰が どの車で 出たか・何本目だったか・どこで 起きたか・何を したか ── この四つが 配車の記録と 同じ場所に 並んでいれば、電話を 受けた瞬間に 誰が 乗っているか 分かり、一年後に 場所と 時刻の 偏りも 見えます。
別々の場所に あると、深夜二時に 探し始めることに なります。探している間に 決まっていくのは、こちらの段取りでは なく 相手の段取りでございます。