クレームの受け方 ── その場で 決めさせない仕組みが 現場を守ります
誰がどこまで その場で決めてよいか。金額の線を決めていない店で起きる3つの形、返金と次回への振り替えの使い分け、記録の残し方、再発を止める見方。
お申し出を受けた その場で、現場が 金額を 決めています。
決める線を 引いていないと、出る人によって 答えが 変わります。 そして お客様どうしが 話した時、いちばん 困るのは 現場です。
この頁では 一 その場で 決めてよい線/二 何で 返すか/三 記録と 再発 の順で、そのまま使える形に します。
まず結論(急ぎの方へ)
一 その場で 現場が 決めてよい 金額の線を 1 つ 決める
二 線より 上は 上へ。線より 下は 現場で 完結(後から 報告)
三 返すのは【返金】か【次回への 振り替え】か。使い分けを 決める
四 1 件 1 行 残す(誰・何が・いくら・誰が決めた)
五 同じ理由が 3 回 出たら、それは クレームではなく 仕組みの穴
⚠️ 一 が 無いと、現場は 毎回 上へ 確認します。 ⇒ お客様は 待たされ、待たされた事が 二つ目の お申し出になります。
一 その場で 決めてよい 線
1-1 線を 高めに 引く
低すぎる(0 円)…全部 上へ。待たせる。現場が 育たない
高すぎる …ばらつきが 出る
⇒ 「その場で 収まる額」より 少し 上に 引くのが 目安です。 ⚠️ 多くの店で 低すぎます。上へ 上げる手間と 待たせる損の方が、 その金額より 高くつきます。
1-2 線の 引き方
| 額 | 誰が 決めるか | 後で 何をするか |
|---|---|---|
| 線より 下 | 現場が その場で | 1 行 残す |
| 線より 上 | 店長 | 1 行 残す + 翌日 共有 |
| 大きい・繰り返し | オーナー | 記録に 加えて 原因を 見る |
1-3 現場に 伝える 3 行
一 いくらまでは その場で 決めてよい
二 何を してはいけない(例 …次回の 約束を その場で 作らない)
三 決めた後 どこに 1 行 書くか
⇒ 三 を 決めていないと、現場で 決めた事が どこにも 残りません。
二 何で 返すか
2-1 二つの 形
| 返金 | 次回への 振り替え | |
|---|---|---|
| 効き | その場で 収まる | 次の来店に 繋がる |
| 費え | そのまま 出る | 次に 来られた分で 相殺 |
| 向く場面 | 二度と 来られない見込み | 続けて 来ていただける見込み |
| 危うさ | 繰り返される形を 作る | 押しつけに 見える事が ある |
⇒ 迷ったら 返金です。 ⚠️ 振り替えを 断られた時に 返金へ 切り替えると、二度 手間になり お客様の 印象が いちばん 悪くなります。
2-2 やってはいけない 3 つ
一 その場で 上限を 超えて 約束する(後で 覆ると 二度目の お申し出に なります)
二 理由を 並べる(増やすほど 反論の材料が 増えます)
三 他のお客様の 前で 金額の 話をする(次から 同じ形が 出ます)
2-3 謝る所を 1 つに 絞る
悪い …「ご不快な思いを おかけし、また お時間も 頂戴し、さらに…」
良い …「◯◯の件、こちらの手落ちでございます」
⇒ 並べると 何に対する謝りか 分からなくなります。 ⚠️ そして 並べた分だけ、こちらが 認めた事が 増えます。
三 記録の 残し方
3-1 1 件 4 項目
一 誰(お客様の記録に 紐づける)
二 何が あったか(事実だけ・1 行)
三 何を したか(返金 ◯◯円 / 次回へ 振り替え)
四 誰が 決めたか
⚠️ **四 が 抜けます。**抜けると、後から 「誰の判断だったか」で もう一度 揉めます。
3-2 評価を 書かない
悪い …「クレーマー」「面倒な客」
良い …「8/12 会計の件で お申し出。返金 3,000 円(店長 判断)」
⇒ 事実は 半年後も 使えます。評価は 使えません。 ⚠️ そして 評価は、書いた人が 辞めた後も 残ります。
3-3 お客様の記録に 紐づける
その場の 手控え・個人の連絡先に 残すと
次に 来られた時に 出ない
⇒ 前回の話を 知らない人が 応対する
⇒ ⇒ 同じ話を もう一度 する事になります
四 再発を 止める
4-1 3 回 出たら 仕組みの穴
同じ理由が 3 回
⇒ それは お客様の側の話ではなく、こちらの 仕組みの話
よく出る 3 つ
一 料金の 伝わり方(オプションが 会計で 初めて 出る)
二 時間の 伝わり方(延長の 扱いが 曖昧)
三 指名の 伝わり方(誰が 来るか 変わった時の 連絡)
⇒ どれも 先に 伝えていれば 起きません。
4-2 月に 1 度 理由で 並べる
返金の 総額ではなく【理由ごとの 件数】で 見る
⚠️ 総額で見ると「今月は 少なかった」で 終わります。 ⇒ 理由で並べると、同じ物が 何度も 出ている事が 見えます。
4-3 直したら 記録に 書く
「◯◯の件は 8/20 から 予約時に お伝えする形に した」
⇒ 書かないと、3 か月後に また 同じ検討を します。
五 現場を 守る
5-1 その場で 決めた事を 後から 覆さない
現場が 線の中で 決めた事 ⇒ 覆さない
線を 越えていた ⇒ 本人に だけ 伝え、お客様には 出さない
⚠️ お客様の前で 覆すと、次から 現場は 決めなくなります。 ⇒ 全部 上へ 上がり、待たせる形に 戻ります。
5-2 受けた本人を 一人にしない
お申し出を 受けた人は、その日のうちに 誰かに 話す
⇒ 記録とは 別に、これを 決めておいてください。 ⚠️ 溜め込んだ人から 辞めます。
5-3 度を越えた時は 別の話
暴言・威圧・つきまとい
⇒ クレームの 手順ではなく、出禁の 手順へ 移す
⇒ 線を 分けてください。 詳しくは NG と 出禁の決め方 に 書いております。
六 見ておく 3 つ
一 理由ごとの 件数(月ごと)…総額では 見ない 二 その場で 収まった 割合 …低いと 線が 低すぎます 三 同じお客様の 繰り返し(12 か月で)…3 回を 超えたら 別の話
⇒ 二 を 見ている店は 少ないのですが、 ここが 低い間は 現場が 毎回 待たされています。
七 二つの記録は 別の物
⚠️ **「揉め事の記録」には 二種類 ございます。**混ぜると どちらも 使えなくなります。
| お申し出の記録(この頁) | 現場の出来事の記録 | |
|---|---|---|
| 何を 残すか | 誰・何が・何をした・誰が決めた | いつ・どこで・何が・誰が・どうなった |
| 何のために | 次に お越しになった時/再発を止める | 安全・許可・保険の側 |
| 紐づく先 | お客様の記録 | その夜・その場所 |
| 詳しくは | この頁 | トラブルの記録が無い店は |
⇒ 項目の数が 違うのは、目的が 違うためでございます。 ⚠️ 一方に 揃えようとすると、書く量が 増えて どちらも 空になります。
7-1 両方に 当たる場合
お帰りの際に 揉め、警察をお呼びした
⇒ **両方に 書いてください。**片方だけだと、後で どちらかが 欠けます。 ⚠️ 面倒に 見えますが、両方に 当たる件は 月に 数件でございます。
八 その場で 決めてよい線の 直し方
線は 一度 引いて 終わりでは ございません。
線を 超える申し出が 増えた ⇒ 線が 低すぎる
線の中で 収まりすぎている ⇒ 線が 高すぎるかもしれません
⚠️ 後者は 見えにくうございます。 ⇒ 現場が 本来 上へ 上げるべき件まで その場で 収めておられる形がございます。
8-1 高すぎる線の 見分け方
一 同じ現場の方だけが 収めておられる
二 上へ 上がってくる件が 月に 0 件
⇒ ⚠️ 二 は 良い印では ございません。 ⇒ ⇒ 0 件が 続く時は、上げにくい形になっているとお考えください。
8-2 上げやすくする
上げた事を 責めない / 上げた件の 顛末を 返す
⇒ ⚠️ 顛末が 返らないと、次から 上がってきません。
九 お申し出の 種類で 分ける
| 種類 | その場で 決めてよいか | 残す物 |
|---|---|---|
| 料金の 行き違い | 線の中なら 可 | 何を どう 直したか |
| 待ち時間 | 可 | どれだけ お待たせしたか |
| 応対 | 場合による | 事実だけ(評価を 書かない) |
| 安全に 関わる | ⛔ その場で 決めない | 両方の記録へ |
⚠️ いちばん下は 必ず 上へ 上げてください。 ⇒ その場で 収めた形にすると、次に 同じ事が 起きた時に 誰も 知りません。
9-1 料金の 行き違いは 会計の最後に 出ます
決めていない事が 会計の最後に まとめて 出る
⇒ 領収書・分割・再発行の決めが 無いと、そこで お申し出になります ⇒ 領収書で 揉める
十 受けた本人の 後始末
いちばん 見落とされるのが、受けた方の側でございます。
一 その場では 気丈に 収められます
二 その夜のうちに 一度 声を掛ける
三 翌日 もう一度
⚠️ 三 を する店が ほとんど ございません。 ⇒ 一晩 経ってから 効いてまいります。
10-1 掛ける言葉
「昨夜の件、こちらの決めが 足りませんでした」
⇒ ⚠️ 「よく収めてくれた」だけにしないでください。 ⇒ ⇒ 力で 収めた事を 褒めると、次も 力で 収める形になります。
10-2 辞める合図に なります
お申し出を 受けた夜の 後に 出勤が 減る
⇒ ⚠️ 本人は 理由を おっしゃいません。 ⇒ 受けた方の 記録は 残しておいてください(誰が 受けたか の 1 欄)。
十一 同じ方から 続く時
一 まず 事実を 並べる(回数・内容・対応)
二 こちらの側に 直す所が 無いかを 見る
三 それでも 続く時は 別の話
⚠️ 二 を 飛ばさないでください。 ⇒ こちらの決めが 揃っていないと、同じ方が 毎回 同じ所で 引っ掛かられます。
⇒ 三 の側の決め方は NG と 出禁の決め方 に ございます。
十二 1 か月で 揃える 手順
第一週 …その場で 決めてよい線を 決める(金額と 内容)
第二週 …現場へ 3 行で 渡す
第三週 …4 項目の 記録を 始める
第四週 …理由で 並べて いちばん多い物を 見る
⚠️ 第一週を 飛ばすと、後ろが 全部 効きません。 線が 無いと、現場は 毎回 上へ 訊くか 毎回 その場で 決めるかに なります。
よくある問い
Q. 線は いくらが 妥当でしょうか。 ⇒ 金額に 正解は ございません。⚠️ 上へ 上がってくる件が 月に 数件になる所が 目安でございます。
Q. 現場の判断を 後から 覆してよいでしょうか。 ⇒ 覆さないでください。⚠️ 一度 覆すと、次から 誰も 決めません。 ⇒ 直すのは 線の方でございます。
Q. 評価を 書かないのは なぜでしょうか。 ⇒ 後から 読み上げられるためでございます。 ⚠️ 事実は 守ってくれますが、評価は 守ってくれません。
Q. 記録は どこに 残せばよいでしょうか。 ⇒ お申し出は お客様の記録へ、現場の出来事は その夜の記録へ。 ⇒ 七 の表を ご覧ください。
Q. どこから 手を付ければ よろしいでしょうか。 ⇒ その場で 決めてよい線でございます。記録より 先でございます。
記録が残る所に置く
上の 3 つは、お申し出が お客様の記録に 紐づいて 残っていないと 出せません。
その場の メモ / 個人の連絡先 / 頭の中
⇒ 理由ごとに 数えられない
⇒ ⇒ 3 回 出ている事に 誰も 気づかない
⇒ ⇒ ⇒ 4 回目も 同じ理由で 起きる
tasteck では お申し出と 金額の調整を 受注・お客様の記録に 紐づけて 残せるため、 理由ごとの 件数も 同じ方の 繰り返しも 出せます。
⚠️ ただし ツールは 最後です。まず 金額の線を 1 つ 決めて、現場に 伝えてください。 それだけで、待たせる形が 消えます。
続けて 読む
クレームは 現場の力で 収める物ではありません。決めていないから、現場が 力で 収める事になります。