コースの組み方 ── 増やすほど 選ばれなくなります
コースを増やすと 客単価は下がります。選択肢の数と決めやすさ、時間の刻み方、オプションとの境目、値上げの余地を残す組み方。3つの型と落とし穴つき。
「お客様に 選んでいただけるよう、コースを 増やしました」
増やすほど、選ばれるコースは 真ん中に 寄ります。 そして 上のコースが 売れなくなり、客単価は 下がります。
この頁では 一 いくつ 並べるか/二 時間の 刻み方/三 オプションとの 境目 の順で、そのまま使える形に します。
まず結論(急ぎの方へ)
一 並べるのは 3 つまで。4 つ目からは 決めにくくなります
二 真ん中が いちばん 売れる。真ん中を どこに 置くかが すべて
三 いちばん上は【売るため】ではなく【真ん中を 選びやすくするため】に 置く
四 時間の刻みは 実際に出た予約の 長さから 決める(希望ではなく 実測)
五 コースに 入れるか オプションにするかは【全員が使うか】で 分ける
⚠️ **三 が 効きます。**いちばん上のコースは 売れなくてよいのです。 在るだけで 真ん中が 安く 見えます。
一 いくつ 並べるか
1-1 3 つが 上限
2 つ …選びやすいが 上下に 幅が出ない
3 つ …いちばん 決まりやすい
4 つ以上 …比べる手間が 増え、迷った末に いちばん安い物へ 寄ります
⚠️ 迷った時、人は 安い方へ 逃げます。 ⇒ 選択肢を 増やすほど、下へ 寄ります。
1-2 「増やしてほしい」と 言われた時
現場から …「もっと 細かい刻みが 欲しい」
お客様から …「ちょうどよい長さが 無い」
⇒ その声は 正しいのですが、コースを 増やす形で 応えないでください。 ⇒ オプション(延長・追加)で 応える方が、選びやすさを 壊しません。
1-3 3 つの 置き方
| 位置 | 役割 | 価格の目安 |
|---|---|---|
| 下 | 入りやすさ。初回の方の 受け皿 | 真ん中の 60〜70% |
| 真ん中 | いちばん 売る物 | 基準 |
| 上 | 真ん中を 安く 見せる | 真ん中の 150〜200% |
⚠️ 上と 真ん中の 差が 小さいと、上の役目が 果たせません。 ⇒ 1.2 倍程度だと「どちらでもよい」になり、迷いが 生まれます。
二 真ん中を どこに 置くか
2-1 実測から 決める
一 直近 3 か月の 受注を 長さ(時間)で 並べる
二 いちばん多い 長さを 見る
三 その長さを 真ん中の コースにする
⚠️ 希望や 相場ではなく、自店で 実際に 出ている長さです。 ⇒ 相場に 合わせて 真ん中を 置くと、自店の お客様と ずれます。
2-2 真ん中が ずれている印
下のコースが いちばん 売れている
⇒ 真ん中が 高すぎるか、下が 良すぎます
上のコースが 全く 売れない(月 0 件が 続く)
⇒ 差が 開きすぎ。役目を 果たしていません
2-3 上のコースの 作り方
値段を 上げるだけでは 売れませんし、役目も 果たしません。
一 真ん中に 無い物を 1 つだけ 足す(時間ではなく 内容で)
二 名前で 分かるようにする
三 売れなくてよいと 割り切る(月 1〜2 件で 十分)
⚠️ 上が 売れ始めたら、真ん中を 上げる余地が 出ています。
三 時間の 刻み方
3-1 実測から 決める
一 直近 3 か月の 受注の 長さを 全部 出す
二 山が どこに 在るか 見る
三 山の 位置に 刻みを 合わせる
⚠️ 60 分・90 分・120 分が 当たり前と思わないでください。 業態と 立地で 山の 位置は 変わります。
3-2 刻みが 細かすぎる時
60 / 75 / 90 / 105 / 120 …5 つ
⇒ 選びにくい。そして 現場の 段取りが 増える
⇒ ⇒ 枠が 埋まりにくくなり、稼働率が 下がる
⇒ 刻みは 3 つ。間は 延長で 埋める。
3-3 延長の 単価
延長は コースの 時間単価と 同じか、やや 高く
⚠️ 延長を 安くすると、短いコース + 延長が いちばん 得になります。 ⇒ お客様は そうされます。コースの 意味が 無くなります。
四 コースに 入れるか オプションにするか
4-1 分ける 1 つの問い
「ほぼ全員が 使うか」
はい ⇒ コースに 入れる(価格に 織り込む)
いいえ ⇒ オプションにする
⚠️ ほぼ全員が 使う物を オプションにすると、 表示価格は 安く見えますが、会計で 必ず 上がります。 ⇒ 「聞いていた金額と 違う」が 起きます。いちばん 揉める形です。
4-2 逆に、少数しか使わない物を コースに入れると
使わない方が 割高を 払う形になります
⇒ 比べられた時に 高く 見えます
4-3 境目に 迷う物
| 物 | 目安 |
|---|---|
| 指名料 | オプション(全員では ないため) |
| 送迎 | 地域による。ほぼ全員なら コースへ |
| 延長 | 必ず オプション |
| 消耗品・備品 | コースへ(別立てにすると 印象が 悪い) |
五 値上げの 余地を 残す
5-1 端数を 使わない
9,800 円 …次に 上げる時 10,000 円まで 200 円しか ありません
10,000 円 …上げ幅を 自由に 取れます
⚠️ 端数は 一度使うと 次が 苦しくなります。
5-2 上のコースを 先に 上げる
一 上のコースを 上げる(売れていないので 影響が 小さい)
二 真ん中が 相対的に 安く 見える
三 半年後に 真ん中を 上げる
⇒ **段階を 踏むと 反発が 小さい。**一度に 全部 上げると 比べられます。
5-3 下は 動かさない
下のコースは はじめの受け皿です。ここを 上げると 初回が 減ります
⇒ 初回が 減ると リピートの 母数が 減ります
⚠️ 下を上げるのは、初回が 十分に 来ている時だけ。
六 3 つの 型
業態で 向く型が 違います。
| 型 | 並べ方 | 向く業態 |
|---|---|---|
| 時間で 分ける | 60 / 90 / 120 分 | 施術・接客の時間が 主な業態 |
| 内容で 分ける | 標準 / 上位 / 特別 | 内容に 差を作れる業態 |
| 人数で 分ける | 1 名 / 2 名 / 団体 | 席と 人数で 決まる業態 |
⚠️ 混ぜないでください。 時間と 内容の 両方で 分けると、組み合わせが 増えて 選べません。 ⇒ 主軸を 1 つ 決め、もう一方は オプションにします。
七 見ておく 4 つ
一 コースごとの 構成比(件数と 売上の 両方) ⇒ 真ん中が いちばん 多いか。下に 寄っていたら 真ん中が 高すぎます
二 平均の コース時間 …刻みが 合っているかの 目安
三 延長率(コースごと) ⇒ 特定のコースだけ 延長が 多いなら、その長さが 短すぎます
四 オプションの 付帯率(品目ごと) ⇒ ⚠️ 8 割を 超える品目は、コースへ 入れるべきという印です
八 名前の 付け方
コースの名は、選ぶ手間を 増やしも 減らしも いたします。
分かりにくい名 …「スタンダード」「プレミアム」「ロイヤル」
分かりやすい名 …時間か 中身が そのまま 入っている
⚠️ 格の名だけだと、違いを 訊かれます。 ⇒ ⇒ 訊かれる度に 現場が 説明する事になり、人によって 説明が 変わります。
8-1 名に 何を 入れるか
一 時間(60 分・90 分)
二 いちばん 大きい違い(1 つだけ)
⇒ ⚠️ **二つ以上 入れないでください。**名が 長くなると 読まれません。
8-2 名を 変える時
名だけ 変える …前のコースと 同じ物だと 分かるように
中身も 変える …別のコースとして 出す
⇒ ⚠️ 名だけ変えて 値を 上げると、値上げが 隠れた形になります。 ⇒ ⇒ 気づかれた時に いちばん 揉めます。
九 見せる順
3 つ 並べた時、上から 順に 見られます。
上に 置いた物が いちばん 選ばれます
⇒ ⚠️ 選ばれてほしい物を 上にでございます。 ⇒ 在籍の並び順と 同じ形でございます ⇒ 在籍の見せ方
9-1 真ん中を 強調する形
「いちばん 選ばれています」の 1 行
⇒ ⚠️ 実際に そうである時だけお使いください。 ⇒ ⇒ 実際と 違う事を 書くと、後で 数字が 合わなくなります。
9-2 3 つ以上 出さざるを得ない時
表に 3 つ / 残りは 「その他」で まとめる
⇒ 並べる数と 持つ数は 別でございます。 ⚠️ 持っていても 構いませんが、同時に 見せないでください。
十 現場が 説明できるか
いちばん 効く検めは これでございます。
現場の方に「3 つの違いを 説明してください」と 頼む
説明できる …選ぶ側にも 分かります
説明できない …そもそも 違いが 立っておりません
⚠️ 説明が 人によって 違うなら、コースの側の 問題でございます。 ⇒ ⇒ 覚えていないのでは ありません。違いが 言葉にできないのでございます。
10-1 説明を 1 行にする
一つ一つに 「◯◯したい方へ」の 1 行
⇒ ⚠️ 中身の 列挙では ございません。どなたへ の 1 行でございます。
十一 変える時の 手順
一 変える前の 数を 控える(コース別の 件数と 客単価)
二 変える
三 1 か月 見る
四 悪ければ 戻す
⚠️ 一 を 飛ばすと 四 が できません。
11-1 一度に 全部 変えない
一度に 変える …何が 効いたか 分かりません
1 つずつ …効きが 読めます
⇒ ⚠️ ただし 値と 中身を 同時に 変えないでください。 ⇒ ⇒ 上がったのが 値のためか 中身のためか、判じられなくなります。
11-2 変えた事を いつ 伝えるか
ご予約の時に 伝わる形にする
⇒ ⚠️ お帰りの時に 初めて 出す形が いちばん 揉めます ⇒ 領収書で 揉める
十二 コース別に 数を 持つ
コース別の 件数 / コース別の 客単価 / コース別の 延長率
⚠️ 三つ目を 見ている店が 少のうございます。 ⇒ 延長が 多いコースは、時間が 足りていない印でございます。
12-1 延長率の 出し方
そのコースで 延長が 付いた件数 ÷ そのコースの 件数
⇒ ⚠️ 高いのは 悪い事では ございません。 ⇒ ⇒ ただし 毎回 延長される形なら、その時間を コースに 入れた方が 選ばれます。
12-2 客単価との 関係
コースを 増やす ⇒ 下が 選ばれる ⇒ 客単価が 下がる
⇒ ⚠️ 分母を 揃えて 見てください ⇒ 客単価の上げ方
十三 1 か月で 揃える 手順
第一週 …いま 並べている数を 数える
第二週 …コース別の 件数と 客単価を 出す
第三週 …選ばれていない物を 表から 外す(持つのは 構いません)
第四週 …現場に 3 つの違いを 説明していただく
⚠️ 第四週が 答えでございます。 説明できない物は、お客様にも 選べません。
よくある問い
Q. 3 つでは 少なくありませんか。 ⇒ 少のうございます。⚠️ ただし 同時に 見せる数が 3 つという事でございます。
Q. 「増やしてほしい」と 言われます。 ⇒ 増やす前に、いま 選ばれていない物を 数えてください。 ⚠️ たいてい 既に 選ばれていない物が ございます。
Q. 値上げは どこから でしょうか。 ⇒ 上のコースからでございます。⚠️ 下は 動かさないでください。
Q. 延長が 多いのは 良い事でしょうか。 ⇒ 悪い事では ございません。⚠️ ただし 毎回なら 時間が 足りておりません。
Q. どこから 手を付ければ よろしいでしょうか。 ⇒ コース別の件数を 出す事でございます。 選ばれていない物が 見えれば、減らす判断が できます。
記録が残る所に置く
上の 4 つは、受注に コースと オプションと 延長が 分かれて 残っていないと 出せません。
金額の 合計だけを 記録していると、
どのコースが 売れているか 分からない
延長が どのコースで 起きているか 分からない
⇒ 真ん中を どこに 置くか 決められない
tasteck では コース・指名・オプション・延長が 受注に 分かれて 残るため、 構成比も 延長率も 集めずに 出せます。
⚠️ ただし ツールは 最後です。まず 3 つに 絞って、真ん中を 実測で 決めてください。 4 つ目を 消すだけで、客単価は たいてい 上がります。
選択肢を 増やすのは 親切に 見えて、迷いを 増やす行いです。人は 迷うと 安い方へ 逃げます。