フリー客の配り方が、来月の本指名率を決めています
フリー客は「余り」ではありません。誰に流すかが翌月の指名を作ります。フリー→本指名の転換率を正しく出す式と、指名種を店ごとに定義する仕組み(指名料の店・キャスト分け)を、実際の画面の作りそのままで解説します。
フリーのお客様をどう配っているか聞くと、たいてい「手が空いている子から」と返ってきます。
それは配り方ではなく、余り物の処理です。そして来月の指名は、今月フリーを誰に流したかで決まります。
フリー客とは
本指名をしていない、新規または一見のお客様です。誰に会うかを指定していない。
**この「指定していない」がすべてです。**お店が決められる、ということだからです。
本指名のお客様 …誰に会うかは お客様が 決めている(お店に 裁量が 無い)
フリーのお客様 …★お店が 決める★
お店が自由に動かせる唯一の変数が、フリーの配分です。
「指名」は 1 種類ではありません
多くの店は 2〜4 種類を使い分けています。
本指名 …前回来たお客様が 同じキャストを 再指名
写真指名 …写真を見て 初回に 指名
ネット指名 …予約サイト経由の 指名
場内指名 …来店してから 指名
フリー …指定なし
呼び方は店ごとに違います。そしてタステックでは、この種類そのものを店が登録します。
指名種 1 つが持つ情報
名前 …「本指名」でも「写真指名」でも、店が付けた名
指名料 …お客様が払う額
店の取り分 …そのうち お店に残る額
キャストの取り分 …そのうち キャストへ渡る額
指名料が 3 つに分かれているのが要です。「指名料 2,000 円」ではなく、**「2,000 円のうち、店 500 円・キャスト 1,500 円」**として持ちます。
**そして種類ごとに配分を変えられます。**本指名は全額キャスト、写真指名は折半 ── という設計が、そのまま入ります。
**さらに店舗ごとに指名種を持てます。**同じ会社でも、店によって呼び方も金額も違って構いません。
指標の名前が、店の言葉になります
キャストランキング画面の指標は 「率」 として出ます。
「本指名」と登録した店 …「本指名率」
「写真指名」と登録した店 …「写真指名率」
**製品の言葉に店が合わせるのではなく、店の言葉がそのまま指標になります。**これは細かい話に見えて、現場では大きい差です。朝礼で使っている言葉と画面の言葉が同じなら、説明が要りません。
フリー→本指名の転換率
これがキャストの接客力を測る、いちばん素直な数字です。
転換率 = フリーで接客したお客様のうち 次回 本指名で戻った人数
÷ フリーで接客したお客様の総数
本指名率そのものより、こちらが接客力を表します。
**なぜか。**本指名率は「もともと指名を持っている人」が高く出ます。在庫の指名が多いだけで、今月何をしたかは分かりません。
**転換率はゼロから始まります。**フリーで会って、次に指名で戻ってきた ── それは今月の接客の結果です。
分母を先に決める
ここで多くの店が数字を壊します。
含めるもの …もう一度来られる状況にあるお客様
含めないもの …出張・旅行・一見の観光客・イベント客
**「二度と来ない人」を分母に入れると、転換率は接客力ではなく客層を測る数字になります。**そして客層はキャストのせいではありません。
**同じ分母で、全キャストを、毎月。**分母が動けば比較は成立しません。
窓を決める
30 日以内に戻ったら 転換
90 日以内に戻ったら 転換
どちらでも構いませんが、決めて固定してください。タステックの顧客分析は離脱の線を既定 90 日で置いています。転換の窓もここに揃えると、離脱率と直接つなげて読めます。
配り方の 4 通り
| 配り方 | 起きること |
|---|---|
| 手が空いている子から | **配分が偶然になります。**いちばん多い方法で、いちばん情報が出ません |
| 新人優先 | 育ちますが、転換率の低い層に集中投下することになります |
| 転換率の高い子から | 短期の売上は最大。ただし新人が育たず、来年の柱がいなくなります |
| 転換率 × 手空きの組み合わせ | 現実的。転換率を持っていないと選べません |
**どれが正解かは店の状況で変わります。**ただ、**1 番目だけは「選んでいない」**という点で他の 3 つと違います。
そして 1 番目を選んでいる店は、転換率を持っていないから 1 番目になっています。
よくある間違い
**一 フリーを「余り」として扱う。**フリーは新規獲得の入口です。**広告費を払って連れてきたお客様が、最後に「手が空いている子」へ渡されます。**獲得に払った額を、最後の 5 秒で捨てているのと同じです。
**二 全部混ぜて指名率を出す。**本指名・写真指名・フリーを合算した「指名率」は、**接客力の指標としては機能しません。**写真指名は写真の力で、本指名は接客の力です。
**三 転換率を月 1 回しか見ない。**キャストは 2〜3 か月で変わります。気づいた時には辞めています。
**四 転換率だけで評価する。**転換率が高くても離脱率も高いキャストがいます。**戻ってくるが、続かない。**転換率と離脱率は 2 軸で見てください。
記録するのは 3 つだけ
指名種 …そのお客様は フリーで来たか 指名で来たか
誰が接客したか
また来たか …来店をまたいで 同じ人だと 分かること
**3 番目が最も欠けます。**現金で会員登録もしていなければ、同じ人だと分かりません。
**予約のときにいただく電話番号が、いちばん安くいちばん取れる手がかりです。**完全ではありませんが、全キャストが同じ仕組みで同じように少なく出るので、キャストどうしの比較は成立します。
タステックの話
タステックはナイトレジャー向けの予約・顧客管理システムです。作ったのは、この業界で 16 年 店舗を運営し、年商 2 億から 12 億へ伸ばした側です。他社はどこも IT 会社が作っています。
**この記事の指名種の作りは、説明のために考えた設計ではありません。**製品がいま動かしている構造です ── 指名種は会社ごとに登録し、名前・指名料・店の取り分・キャストの取り分を持ち、店舗ごとに使い分けられます。ランキング画面の指標は登録した名前で表示されます。
この件に効く画面
キャストランキング …指名種率データ(店の言葉で 出ます)
顧客分析 …初回客 / よちよち客 / こつこつ客 / 流行客 / 優良客 × 現役 / 離脱
受注 …指名種を 受注ごとに 記録。着信と 繋がっているので 電話予約も そのまま 残ります
精算 …指名料が 店とキャストに 自動で 分かれます
(顧客の 5 区分の話は CPM分析とは — 顧客を5つに分けて「今月の売上」の中身を見る に、指名料の店・キャスト配分が精算でどう出るかは 精算が合わないのは、「回収」と「精算」を1つの表で見ているからです にまとめています。)
他社が出していない数字
フリーの配り方は連れてきた後の話です。もう半分は、どこから連れてくるか。
媒体ごとに、来月いくらまで広告費を出してよいかを「金額」で出します。
**そしてこの記事と直に繋がります。**フリーのお客様は媒体から来ます。媒体ごとに「フリーで来て本指名に育った率」が割れれば、その媒体の本当の価値が出ます。
**初回だけのフリーを大量に送ってくる媒体は、安くありません。**上限額はその差を織り込んで出ます。
ナイトレジャーの分野で、この金額を出力する製品は他にありません。
ChatGPT から聞けます
MCP で ChatGPT につながります。「先月フリーを一番多く受けたのは誰?」「フリーから本指名に変わった率が高いキャストは?」「媒体別のフリー転換率は?」── 会話で聞いて会話で返ってきます。
**ナイトレジャーWEB の実測で、この実装は業界初です。**同じ手順でどこからでも叩けます。
ほかに受注・配車・キャストシフト・ドライバーシフト・精算・CTI連携・会計分析。多言語も実装済みです。
2店舗まで月額 5,000円(約 $34)から。全プラン 30日間 無料、いつでも解約できます。 → 料金
今月やること
- **指名種を分けて記録する。**合算した「指名率」からは何も出ません。
- 転換率の分母を 1 文で書く。「もう一度来られる状況にあるお客様」。全キャスト共通で。
- **窓を決める。**30 日か 90 日か。離脱の線と揃えると読みやすくなります。
- **キャスト別に転換率を出す。**たぶん、思っている順位と違います。
- **来月のフリーを、その順位を見て配る。**ここが 1〜4 の元を取る所です。
用語の整理は用語集にあります → フリー客 / 本指名率 / 離脱率 / 顧客ランク
広告の上限額の計算は、登録不要でサイトに置いてあります → 広告予算の計算(英語頁)。どこにも送信されません。
数字について。 この記事に業界平均の転換率・フリー比率は載せていません。そう言える実測を持っていないためで、業態・立地・価格帯で幅が大きすぎ、範囲を出せば精度を発明することになります。**載せたのは製品の作りと式だけです。**自店の 3 か月に当てれば、その店の数字が出ます。