在籍確認の電話に どう答えるか ── 店が先に決めておく 4 つ
「そちらに○○さんは在籍していますか」という電話は、クレジットの審査・賃貸の入居審査・親族からの問い合わせで掛かってきます。誰が出ても同じ答えになる形を、先に決めていない店が多い所です。答えてよい範囲、断り方、キャスト本人への確認、記録の残し方を整理しました。
「そちらに、山田さんという方は在籍していらっしゃいますか」
この電話に、店の誰が出ても同じ答えになりますか。
出た人によって「はい、おります」と答えたり「お答えできません」と答えたりする店は珍しくありません。同じ店で答えが割れると、キャストが困ります。
要点
- 在籍確認の電話は クレジット審査・賃貸審査・親族 の 3 つでほぼ全部
- 本人の同意が無い限り、在籍しているともしていないとも答えないが原則
- ただし 本人が事前に「掛かってきます」と言っている場合だけは別の扱いになる
- 揉めるのは断ったことではなく、店ごと・人ごとに答えが違うこと
- 電話に出る人が決める形をやめ、書面に 4 行だけ書いて貼る
1 行で言うと
| 掛けてくる人 | 何を知りたいか | 店が答えてよいか |
|---|---|---|
| クレジット・ローンの会社 | 働いているか | 本人の同意があれば |
| 賃貸の管理会社 | 収入があるか | 本人の同意があれば |
| 親族・知人 | そこに居るか | 答えない |
| 名乗らない相手 | ― | 答えない |
**3 行目と 4 行目が、いちばん多く掛かってきます。**そして答えてはいけない側です。
なぜ「在籍しています」と言えないのか
在籍を答えること自体が、本人の情報を渡すこと
「はい、おります」は その人がこの店で働いているという事実を、本人の同意なく第三者へ渡したことになります。
⚠️ この業界では、それが本人の不利益に直結する場面があります。家族に知られていない、前の関係者から探されている、といった事情は珍しくありません。
店が良かれと思って答えた 1 言が、キャストの生活を変えることがあります。
「居ません」も答えになってしまう
断り方を間違えると、断ったことが答えになります。
🔴「山田はおりません」 …その名の人が居ないと 伝わる
🔴「今日は出ておりません」 …【居ることを 認めている】
⭕「在籍について お答えしておりません」…どちらも 伝わらない
**2 行目がいちばん危ういです。**シフトの話にすり替えた瞬間、在籍を認めています。
4 つの型
一 クレジット・ローンの会社から
本人が申し込んでいて、在籍確認が来ることを本人が知っている場合です。
本人から 事前に 聞いている ⇒ 決めた文で 答える
本人から 何も 聞いていない ⇒ 答えない。本人へ 確認してから 折り返す
⚠️ **その場で答えないことが、本人の不利益になることは ほとんどありません。**審査は折り返しを待ちます。
二 賃貸の管理会社から
同じ扱いです。ただし店の名前を出すかどうかという別の論点があります。
キャストが「運営会社の名前で伝えてほしい」と希望している場合があります。⇒ 本人がどう名乗っているかを、先に本人へ聞きます。
三 親族・知人から
⭕「お答えしておりません」の 1 つだけ。
事情を聞かない、同情しない、折り返さない。折り返すと、その番号が本人に紐づきます。
⚠️ 「親だから」「緊急だから」と言われても同じです。本当に緊急なら、警察・救急から掛かってきます。
四 名乗らない相手から
⭕「お答えしておりません」で 切る。
**誰かを確かめようとしないでください。**確かめる過程で、こちらの情報が出ます。
本人へ 先に 聞いておく 3 つ
入店の時に聞いておくと、電話が掛かってから慌てません。
一 在籍確認の電話が 来る 予定が ございますか
二 来た時、何と 答えてよろしいですか(店名/運営会社名/答えない)
三 ご家族・知人からの お問い合わせは どう されますか
**三が いちばん大事です。**ここを聞いていない店が多く、掛かってきてから本人に確認する形になります。
電話の横に貼る 4 行
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在籍のお問い合わせ
一 相手が 名乗らない …「お答えしておりません」
二 ご家族・知人 …「お答えしておりません」
三 審査の会社 …本人の同意の 控えが 在れば 決めた文で。
無ければ「折り返します」
四 迷ったら …答えずに 責任者へ
⛔「今日は出ておりません」は 在籍を 認めています。使わない。
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**4 行目が効きます。**迷った時に答えないと決めておけば、間違いは起きません。
記録の残し方
在籍確認は「答えなかった」ことも記録に残します。
いつ / どこから(名乗った社名) / 誰について / 何と答えたか
⚠️ **記録が無いと、後から「あの時こう言った」の水掛け論になります。**とくに三と四で折り返さなかった場合、本人から「なぜ教えなかったのか」と言われることがあります。その時に出すものが要ります。
残し方そのものは トラブルの記録が無い店は、相手の記録だけで語られます と同じ考えです。
よくある詰まり所
「本人が 電話に出たがっている」
本人が在籍確認の電話を取りたいと言う場合があります。それ自体は構いませんが、シフトに合わない時間に掛かってきます。⇒ 本人の携帯へ回すのか、折り返すのかを先に決めます。
「運営会社の名前で答えてほしい」
よくある希望です。⚠️ 実際の在籍先と違う名前を答えると、審査の側で不一致になります。⇒ 運営会社が実際の雇用主・委託元であるかを先に確かめます。
「答えなかったら 審査に落ちた と言われた」
在籍確認が取れないことを理由に落ちる場合は確かにあります。⇒ だからこそ 一(本人から事前に聞く) が要ります。事前に聞いていれば、答えられます。
雇用の形そのもの(雇用か業務委託か)で答え方が変わる場面があります。⚠️ **そこは店ごとの判断ではなく、顧問の先生にご確認いただく所です。**この記事では触れません。
誰が 電話を 取るか
在籍確認は 受付・内勤・ドライバーの誰にでも掛かってきます。夜の時間帯は、いちばん慣れていない人が取ることもあります。
⭕ 貼ってある 4 行を 読むだけで 済む形
🔴 その場で 判ずる形(取った人の 経験に 頼る)
**判ずる形にすると、必ず割れます。**判ずるのは電話の後で構いません。
新しく入った人へ 最初に渡す
入店・入社の初日に、この 4 行を渡します。「分からなければ答えない」だけ覚えてもらえば、事故は起きません。
店の番号が 漏れている時
在籍確認と似て非なるものに、名簿業者からの電話があります。
「求人媒体の担当です」「システムのご案内です」と 名乗るが
実際には 【在籍しているキャストの名前を 引き出そうとしている】
⚠️ 見分け方は 1 つです。こちらから名前を出させようとする電話は、全部 断ります。
🔴「山田さんはいらっしゃいますか」← 相手が 名前を 持っている
🔴「キャストさんのお名前を教えて」← 引き出そうとしている
⭕ どちらも「お答えしておりません」
顧客の側の名簿がどこに散っているかは 顧客名簿は いま どこに 在るか に書きました。キャストの側も同じ形で散ります。
本人が 辞めた後に 掛かってきた時
退店した後に在籍確認が来ることがあります。これがいちばん判断が割れます。
| 状況 | 答え |
|---|---|
| 本人から「辞めたと伝えてよい」と聞いている | 決めた文で答える |
| 何も聞いていない | 「お答えしておりません」 |
| 辞めた理由を聞かれた | 答えない(在籍以前の問題) |
⚠️ **「もう辞めました」は、在籍していたことを認めています。**辞めたかどうかは、在籍していたかどうかの上に乗る話です。
担当が辞けた後の引き継ぎそのものは 担当が辞めた時、その指名は誰のものか に書きました。
月に 1 回 数える
在籍確認の電話は、数えると傾向が見えます。
一 何件 掛かってきたか
二 うち 答えたのは 何件か
三 折り返したのは 何件か
四 本人へ 確認が 取れなかったのは 何件か
**四が多い店は、入店の時の 3 つを聞けていません。**電話の対応を直すより、入店の時を直す方が効きます。
まとめ
- 在籍確認は 審査・賃貸・親族 の 3 つでほぼ全部
- **「今日は出ておりません」は 在籍を認めている。**使わない
- 断り方は 「お答えしておりません」の 1 つに揃える
- 入店の日に 3 つ聞いておくと、掛かってから慌てない
- 答えなかったことも 記録に残す
**この電話の答えは、出た人が決めるものではありません。**店が先に決めて、貼っておくものです。
シフトと出勤の管理そのものは シフト DX に、キャストの定着は キャストが辞める 3 週間前に出るサイン に分けて書きました。