お一人に宛てた文を、全員に配る時に落とすもの
一人のお客様を思って書いた文は良い文になります。その良さの元である日付・回数・相手の様子の決めつけが、自動で配った途端に全員への小さな嘘になります。落とす三つと、機械が捕まえられない一つをまとめました。
お一人のお客様へ文を書きます。良い文になります。その方の事情を汲み、正しい日付が入り、これまでのやり取りを踏まえております。
そこで「これは良いから、同じ立場の方 全員へ送ろう」となります。
⚠️ **良さの元が そのまま 危うくなります。**日付はその方の日付です。やり取りはその方とのやり取りです。次の方へ送った途端、どれもが 自信たっぷりの 小さな嘘に変わります。
先に 結論
- お一人へ書いた文には、その方にしか当てはまらない事実が入っております
- 自動で配ると、その事実が 全員へ 繰り返されます
- 落とすのは 三つ …日付・回数・相手の様子の決めつけ
- 機械が捕まえるのは 一部で、相手の様子は 捕まえられません
- 直し方は、二人目を思って書き直すことでございます
良い文ほど 危うい訳
| お一人には 良い所 | 他の方には どうなるか |
|---|---|
| 「お試しは 10 月 16 日までです」 | 他の方には 誤った日付 |
| 「二度 お送りしております」 | 他の方には 誤った回数 |
| 「まだお試しでないご様子ですので」 | 使っている方に「使っていない」と告げる |
⚠️ **元の文が 丁寧であるほど、この手の字が 多く入っております。**当たり障りのない文は自動化に耐え、良い文は 手直しなしには 耐えません。
一 …日付
いちばん見つけやすく、いちばん直しやすい所です。
書いた字 「お試しは 10 月 16 日まで」
自動にする字 「お試しは(その方の終了日)まで」
⚠️ その方の日付を差し込めない仕組みでしたら、日付は書きません。「お試しの終了日は 画面に出ております」の方が 文としては劣り、正しゅうございます。誤った良い文より ましでございます。
機械が 教えてくれた例
私どもの場合、**仕組みの検査が先に止めました。**差し込む場所を用意しておきながら、そこへ決まった日付を打ち込んだため、「受け取った値を一度も使っていない」と機械が鳴ったのでございます。
⇒ どの仕組みでも鳴る訳ではございません。三つのうち 一つだけ捕まりました。残る二つは 機械には見えません。
二 …回数
お付き合いについての数字は、必ずずれてまいります。
「二度 お送りしております」
「三度目のご来店でございます」
「半年 お付き合いいただいております」
⚠️ **書いた日には 本当で、間もなく 嘘になります。**しかも もっともらしく 響きます。
⇒ 私どもで実際に在りました。「二通 お送りしております」と書いた文が、三通 出す仕組みに入っており、しかも その文を書く元になったお客様には 仕掛けからは 一通も 出ていなかったのでございます。
決め
出す時に 数えるか、書かないか。
⇒ **「これまでにも ご連絡を差し上げております」**でしたら 同じ意味で、古くなりません。
三 …相手の様子の 決めつけ
いちばん危うく、何も捕まえてくれない所です。
「まだお試しでないご様子ですので」
「このところ お見えになっておりませんが」
「ご予約の機能をお使いでないようですので」
⚠️ **機械が一度も見たことのない相手について 言い切っております。**自動で配れば、順調にお使いの方にも届きます。
何を失うか
きちんとお使いの方が「使っていない」と書かれた文を受け取る
⇒ この店は 私のことを 見ていない、と お思いになる
⇒ 送らない方がましでございます。見ていないことを 自分から 示す文になります。
直すのは 一語
まずい …「まだお試しでないご様子ですので、……」
よい …「もし まだお試しでないようでしたら、……」
⚠️ **言い切りではなく 条件に。**手間はかからず、読み心地もほぼ同じで、誤りようがございません。
四 …機械が 捕まえる物と 捕まえない物
頼れる範囲が決まりますので、はっきりさせておきます。
捕まえる …差し込む場所が 空のまま
捕まえる …繋ぎ先が 無い(時により)
捕まえない …「二度 お送りしております」
捕まえない …「まだお試しでないご様子で」
⚠️ 捕まえられない二つは、どちらも 相手について 語る字でございます。受け取る方に当てはまるかどうかを、仕組みは知りません。
⇒ ゆえに 人が 二人目の立場で 読むほかございません。それが仕事の中身でございます。
五 …効く見直し
読み直しではございません。決まった当て方でございます。
その集まりの中で、書いた相手と いちばん 逆の方を 一人 思い浮かべる。
その方の目で 読む。
⚠️ 嘘になる一文が、直す一文でございます。
例
書いた相手 …申し込んで以来 一度も お見えでない方
読み直す目 …毎週 お見えの方
⇒ 「お見えになっておりませんが」…失礼になります
⇒ 「初めてのご利用」…誤りになります
⇒ 「またお会いできますのを」…どちらでも 成り立ちます
⇒ **両方で成り立つ一文だけを残します。**残りは 条件の形にするか、落とします。
六 …文以外でも 同じ形
連絡だけの話ではございません。
一つの事情のために書いた貼り紙が、そのまま貼りっぱなしになる
一つの出来事のために作った決まりが、全員に当てられる
一人のお客様のために作った台本が、全員に読まれる
⚠️ **どれも 最初は その場への 良い応えでございます。**壊れるのは 全員向けに 格上げした時で、元の文が悪かった訳ではございません。
七 …誰が 見るか
役の間に落ちやすい所ですので、決めておきます。
書く人 …意味を 分かっている
仕掛ける人 …誰に 届くかを 分かっている
⇒ どちらか一人では この穴が 見えません
⚠️ **二つを 同じ頭に 同時に 置く要がございます。**実際には、誰に届くかを聞いた上で 書いた人が もう一度 読む形でございます。
渡す一文
「これは X の方 全員へ出ます。Y の方も 含まれます。」
⇒ 仕上げる前に これを渡します。多くはこの一文で消えます。
控えておく数字
一 自動で出る文が それぞれ 最後に 人に読まれたのは いつか
二 決まった日付が 入っている文は 何本か
三 回数が 入っている文は 何本か
四 相手の様子を 言い切っている文は 何本か
⚠️ 四が 手を入れる所でございます。ひと続きの文面を通して読んでも 十分ほどでございます。
事務所に 貼る紙
────────────────────────
自動にする前に
1. 決まった日付は 差し込みへ。無理なら 書かない
2. 回数は 出す時に 数えるか、落とす
3. 「ですので」を 「でしたら」へ
4. いちばん 逆の方の目で 読む
一人に宛てて、全員へ配る。
────────────────────────
よくある ご意見
「細かく書いた方が 良い文です」
⚠️ そのとおりでございます。そして 当てはまらない方には その分 悪い文になります。人数はそちらが多うございます。
「変わったら 直します」
⇒ 直りません。自動の文は 一度 作ったきり、苦情が出るまで 読み返されません。
「おかしければ 仕組みが 教えてくれます」
⚠️ 教えてくれるのは 空の差し込みでございます。文として正しく、相手について誤っている一文は 分かりません。
「少しの 行き違いでございます」
⇒ 受け取る方には こちらが どれだけ分かっているかの証しでございます。少しだけ誤っている方が、当たり障りなく正しいより 悪うございます。
「お客様が 数えるほどしか おりません」
⇒ でしたら お一人ずつ 書けば足ります。困るのは、お一人への文を 自動へ 格上げした時でございます。
今週 やること
一 自動で出る文を 並べる。忘れている分も 含めます
二 順調な方の目で 一本ずつ 読む
三 嘘になる一文に 印を付け、そこだけ 直す
四 決まった日付を 差し込みへ。無理なら 落とす
五 「ですので」を 「でしたら」へ
まとめ
- 文を良くしている 細かさが、そのまま 自動に向かない訳でございます
- 落とすのは 日付・回数・相手の様子の 三つ
- 機械が捕まえるのは 空の差し込みで、相手についての字は 捕まえません
- いちばん逆の方の目で 読む ── 見直しは これだけでございます
- 書く人が 誰に届くかを 知ってから 仕上げます
- 「ですので」を **「でしたら」**にするだけで 消えます
**お一人に宛てた文ほど、遠くへは 運べません。**その方に 合っていた事の 全部が、次の方には 外れる形で 待っております。