「〜デー」は本当に儲かっているのか
割引の日は「席が埋まったか」で判じられます。それは必ず「はい」と答える測り方です。割引の日が超えなければならない 3 つと、是非を決める 4 つの問いを整理しました。
どの店にも割引の日があります。レディースデー、同業者の日、学割、22 時までの半額。
そしてどの店も、同じ守り方をします。**「あの日は埋まってる」。**本当のことで、そして問いへの答えではありません。
埋まったことが答えていない問い
割引は、定義として席を埋めます。埋まったのは「割引が割引として働いた」証拠であって、「商売の判断として働いた」証拠ではありません。
本当の問いはこれです。
その日は、割引が無かった同じ曜日より 粗利を多く残したか
売上ではなく 粗利。割引を引いて、増えた人件費を引いて、安く出た分の原価を引いた後で。
**この問いに照らして測られた割引の日は、ほとんどありません。**測られているのは「空の店」との比較で、空の店は選択肢に無かった物です。
割引の日が超えなければならない 3 つ
一 …数が割引を超える。 3 割引くなら、必要な増加は 3 割では足りません。増えた分にも原価と人件費が乗るからです。
二 …共食いしない。 土曜に来ていた常連が、半額の木曜に移った ── これは獲得ではありません。**移動を、こちらが金を払って起こしただけです。**割引の日が「成功して見えて、していない」いちばん多い形がこれです。
三 …期待値を下げない。 値引きの曜日を客が覚えると、**定価の日が緩みます。**これは遅れて出て、しかも割引のせいだとは まず言われません。見える頃には、その割引はもう「うちの伝統」になっているからです。
是非を決める 4 つの問い
一 その日の粗利は、割引・原価・人件費を引いた後でいくらだったか
二 その日の客のうち、直近 90 日に来ていた人は何人か
三 割引を始める前の、同じ曜日はいくらだったか
四 割引の日に初めて来た人は、定価の日に戻ってきているか
**二が共食いの検査です。**部屋の大半が既存の常連なら、その割引は「もう来ていた人に配った金」です。
**四が唯一の正当化です。**割引の日は「一度 敷居を下げて入ってもらい、次は定価で来てもらう」ための獲得手段としてなら筋が通ります。その転換が起きていないなら、それは獲得ではありません。ある曜日だけ恒久的に値段が安い、というだけです。
誰もやらない比較
2 週間、割引を止めてみる。
これは不人気で、そして唯一きれいな検査です。他は全部「もし無かったら」の議論にしかなりません。**割引の無い同じ曜日を 2 週間見れば、その夜が素で何を稼ぐかが出ます。**割引の日の粗利との差が、こちらが買っている物の値段です。
**⚠️ 連休・地元の催事・近隣の閉店がある月にこの検査をしない。**数字は出ますが、何も意味しません。
割引の日が本当に効いている形
初めての客が来ていて、そのうち相応の割合が定価で戻っている
元から暗い日を埋めている(「やや弱い日」ではなく)
割引の品以外も出ている
別に売っている物の客層を育てている
**二番目が見た目より大事です。**死んでいた月曜を割り引いても、共食いする物が無いのでほとんど損をしません。すでにそこそこ商売になっていた木曜を割り引く所で、金は静かに出ていきます。
半分効いている割引の直し方
**狭める。**入口を割り引いて、中は定価にする。チャージだけ下げて飲み物は定価、という形は、全部安い夜とはまったく違う挙動をします。
**時間で区切る。**ある時刻までを割引にする。早い時間に埋まり、価格は戻り、割引で来た人はもう中にいて注文しています。
**戻る理由を必ず付ける。****割引の日の仕事は「2 回目」を作ることです。**その夜の中に、定価で来る口実が 1 つも置かれていなければ、2 回目は来ません。
**やめる前に、移す。**共食いしているなら、たいてい正解は「弱い曜日へ移す」です。獲得は残り、共食いの支払いだけ止まります。
必要な記録
その日の客数と、そのうち来店歴のある人
割引と原価を引いた後の粗利
割引を始める前の、同じ曜日
割引の日の初回客が、定価で戻った件数
**四行目には「誰が居たか」が要ります。**客が匿名の店では答えられず、**その割引の日は永久に評価できません。**多くの「〜デー」が何年も続いている本当の理由がこれです。
私たちが作っている物
tasteck はナイトレジャー向けの予約・分析システムです。作っているのは同じ業態を 16 年やって、年商 2 億円から 12 億円まで 6 倍にした人間で、営業を強く押したのではなく、仕組みで攻めた結果です。
**ここで効くこと …**客ごとの来店履歴があるので「前にも来ていたか」「その後 戻ったか」が印象でなく検索で出ます。受注に流入経路が付くので、割引の日の来店と通常の来店が区別できます。精算が明細で割れているので、1 つの夜の中で 割引ぶんと定価ぶんが分けられます。曜日別の分析を期間をまたいで見られるので、今の木曜と 割引を始める前の木曜を並べられます。
**やらないこと …割引の設計はしません。値引き幅も出しません。名乗らない客は見えません。「続けるか やめるか」も決めません。**出すのは、その判断を「感じ」から「根拠のある議論」に変える 4 つの数字です。
他所が出していない出力
tasteck は「来月この集客経路にいくら使ってよいか」を、金額で出します。
**割引の日は、まさにこの枠で判じるべき物です。**値引きの夜は集客経路です ── 失った粗利を払って、客を獲りに行っている。有料の集客と同じ軸に並べた瞬間、それは「伝統」をやめて「獲得単価と生涯価値を持つ 1 行」になります。
**割引の日が いちばん安い獲得手段になっている店もあれば、広告より高く付いている店もあります。**上限は「その経路が実際に連れてきた客の生涯価値」から出しているので、この 2 つを比べられる見方は これしかありません。
この業界で、この数字を出している所は他にありません。
ChatGPT から聞ける
tasteck は MCP で ChatGPT に繋がります。自分の数字を質問の形で聞くと、そのまま chat に返ってきます ── 木曜の客のうち初回は何人か、割引を引いた後の木曜の粗利はいくらか、割引の日の初回客が定価で戻った件数は何件か。
**多言語は画面そのものに入っています。**言語は最初の設定で選びます。
2 店舗まで月 34 ドルから。全プラン 30 日無料、いつでも解約できます。 → 料金
今月から
- **売上でなく粗利を出す。**割引・原価・増えた人件費を引いた後で。
- **その日の客のうち、直近 90 日に来ていた人を数える。**これが共食いの数字です。
- **割引を始める前の同じ曜日を出す。**それが比較の基準です。
- **割引の日の初回客を 60 日 追う。**定価で戻った人はいたか。
- **四が答えられないなら、2 週間 止めてみる。**催事の無い、退屈な月に。
関連 …フリー客の配り方が、来月の本指名率を決めています / CPM分析とは
数字について。 この記事に増加率の目安・許容される値引き幅・転換率は載せていません。そう言える実測を持っていないためで、地域・業態・単価で幅が大きすぎ、範囲を出せば精度を発明することになります。2 週間 止めてみる方が、どんな業界平均より多くを教えます ── そしてそれだけが きれいな検査です。