キャストの SNS は 店の資産か ── 辞めた時に 何が残るか
キャストが自分の SNS で集めた客は、辞めた時に一緒に出ていく。店の側に何が残るのか、残す方法は在るのか。禁止でも放任でもない 三つ目の形。
いま新規のお客様の多くは、店ではなくキャストの SNS から来ています。
これは店にとって良いことです。広告費をかけずに人が来ます。
**ただし その客は 店の客ではありません。**キャストが辞めれば、一緒に居なくなります。
まず数える
「どこから来たか」を受注の記録に 1 列 足すだけです。
店の広告・媒体から
キャストの SNS から(誰の)
既存客の紹介から
その他・不明
これを 1 か月やると、新規のうち何割が キャスト個人の SNS 経由かが出ます。
多くの店で この割合は 想像より高く、そして誰も数えていません。
⚠️ 数えると、店の集客力が 実は キャスト個人の集客力だった、という結果になることが在ります。それは悪い知らせですが、知らないよりは ずっと良い。
3 つの向き合い方
一 禁止する
いちばん多い反応で、いちばん効きません。
禁止しても隠れてやります。そして隠れてやられると、店は 誰がどこから来ているのかを 完全に見失います。
⇒ 禁止は「見えなくする」だけで、「起きなくする」ではありません。
二 放任する
いま多くの店が実際にこれです。集客は上がります。
ただし **辞めた時に 何も残りません。**その人が連れてきた客は、その人と一緒に別の店へ移ります。
三 店の記録に 結びつける
現実的なのは これです。禁止も放任もせず、来た客を 店の記録に残す。
SNS から来た客も 来店の記録を 客ごとに残す
担当を付ける(その人でよい)
来店の履歴・好み・話した事を 1 行 残す
⇒ 辞めた時に「その客は誰か」が 店の側に 残ります。
⚠️ これで全員が残るわけではありません。客はその人に会いに来ていたのですから、多くは離れます。 ですが 誰が離れたかが分かるのと、分からないのでは 打てる手が違います。
キャスト側の言い分も 見ておく
この話は 店の都合だけで進めると 失敗します。
キャストから見れば、SNS は自分で時間を使って作った物です。**「店の資産だ」と言われれば 反発します。**当然です。
⇒ 現実的な線は **「あなたの物である。ただし来店の記録は店に残る」**です。 これは所有の話ではなく、運用の話として置いたほうが通ります。
【伝わりやすい言い方の例】
SNS はご自身の物です。店から何か言うことはありません。
ただ、来られたお客様の記録は 店の側にも残させてください。
理由は 2 つ ──
一 あなたが休んだ日に 他の者が失礼のない対応をするため
二 万一の時(トラブル・出禁など)に 店として動けるようにするため
⚠️ **二は キャスト側にとっても 利益です。**そこを言わずに一だけ言うと 店の都合に聞こえます。
店が返せるもの
一方通行にすると続きません。記録を残してもらう代わりに、店から返せるものが在ります。
その人経由の客が 何人・何回来ているかを 本人に見せる
指名の付き方(新規か リピートか)を 本人に見せる
2 回目が来ていない客を 本人に伝える
⇒ **これは本人の売上に直結します。**自分の SNS の効き目が 数字で見えるので、 記録を残すことが 本人にとっても 得になります。
⚠️ ここまで来ると、記録は「店が管理するため」ではなく「本人が伸ばすため」の物になります。その形でないと 続きません。
辞める前に できること
【引き継ぎの話】と同じですが、SNS 経由の客には 1 つ 違いが在ります。
**その客は「店」を認識していないことが多い。**店名を知らずに来ている場合すらあります。
⇒ 在職中に 店として認識される機会を作れているかが 分かれ目です。
店の名前でのポイント・会員の仕組みに入っているか
店の連絡先を 知っているか
その人以外の従業員と 話したことが在るか
⚠️ 三つ目が いちばん効きます。一度も他の人と話していない客は、その人が辞めたら 100% 消えます。
記録が残る所に置く
上のどれも、来店が客ごとに残っていないと始まりません。
伝票が席に付いていて客に付いていない店では、「この客は 誰の SNS から来て、何回来たか」が出てきません。⇒ 数えられないので、割合も分からず、辞めた時の損も測れません。
tasteck では、来店の記録が客ごとに残り、担当と流入元が付きます。「先月の新規のうち キャスト SNS 経由が何割か」「その人が辞めたら 何人が消えるか」が 1 つの表になります。
⚠️ ただしツールは最後です。先に「どこから来たか」の 1 列から始めてください。1 か月で 割合が出ます。