キャンセル料の決め方 ── 取るより先に 何時間前かを数える
キャンセル料は取るか取らないかの二択ではありません。何時間前のキャンセルが何件あるかを数えると、取るべき時間帯と取らなくてよい時間帯が分かれます。決める前に数える 4 つと、取ると決めた時に起きる 3 つを整理しました。
キャンセル料の話は、たいてい 「取るか、取らないか」 から始まります。
ここが最初の分かれ目です。その二択は、決める前の問いとしては 粗すぎます。
同じ「キャンセル」でも 損の大きさが違います
3 日前 …別の予約で埋まる。損はほぼ無い
当日の昼 …埋まることもある。担当の予定は動く
1 時間前 …埋まらない。担当は出勤済み
無断 …埋まらない。担当は待っている。次も来ない
4 行とも「キャンセル 1 件」として数えると、この差が消えます。 そして差が消えたまま「一律 100%」か「一律なし」を決めることになります。
決める前に 数える 4 つ
何時間前か …予約の時刻から どれだけ前に消えたか
誰の予約か …担当ごとに 偏っていないか
何曜日・何時か …特定の枠に集まっていないか
その後 来たか …戻ってくる客か、それきりか
4 行目がいちばん見落とされます。 キャンセルした客が その後ちゃんと来ているなら、それは失客ではなく 予定変更です。 料金を取ると、予定変更を 失客に変えてしまいます。
数えると たいてい こう分かれます
実際に数えた店で よく出る形です(自店で確かめてください)。
前日まで 件数は多い。損は小さい → 取らない
当日 数時間前 件数は中くらい。損は中くらい → 迷う所
直前・無断 件数は少ない。損が大きい → ここだけ取る
「ここだけ取る」に落ち着くことが多いのは、件数と損が逆向きだからです。 多い所は損が小さく、損が大きい所は少ない。 一律で決めると、多い方に合わせても 大きい方に合わせても 外します。
取ると決めた時に 起きる 3 つ
一 伝えていない料金は 取れません。 予約の時に伝えていなければ、後から請求しても揉めるだけです。 ⇒ 予約を受ける時の文言に入っているかを先に確かめます。
二 誰が請求するかで 実行率が変わります。 現場の担当に「お客様に請求して」と頼むと、たいてい請求されません。 関係を壊すのは その人だからです。 ⇒ 請求する人を 現場から離すか、自動で出すかのどちらかです。
三 取った後に 来なくなる客が出ます。 これは失敗ではなく 設計どおりです。取ると決めた時点で、 「その客はもう要らない」と決めています。 ⇒ そう決めてよいかを、取る前に決めます。
取らないと決めるのも 正しい判断です
取らない方がよい場合 …直前キャンセルが少ない・新規を集めている最中・
担当が固定給で 待ち時間の損が店に閉じている
取る方がよい場合 …直前が特定の枠に集まっている・担当が歩合で
待ち時間の損が個人に乗っている
2 行目の後半が芯です。 待った時間の損を 誰が負っているかで、取るべきかが変わります。 店が負っているなら 店の判断です。担当が負っているなら 担当を守る話になります。
⚠️ 一律で決めない・一度に変えない
まず 直前だけ 3 か月
次に 中間の帯を どうするか決める
前日までは 触らない
同時に全部の帯へ入れると、どの帯が効いたのか分かりません。 そして 件数がいちばん多い「前日まで」に入れると、苦情も件数どおり来ます。
効いているか 見る 4 つの数
帯ごとのキャンセル件数 …直前が減っているか(減っていなければ 効いていない)
キャンセル後の再来店率 …取った帯で 落ちていないか
請求した件数 ÷ 対象件数 …実際に請求できているか(二の実行率)
担当ごとの偏り …特定の担当に集まっていないか
3 行目が低いなら、規則が在っても 動いていません。 決めたことと 起きていることは 別です。
私たちが作っている物
tasteck はナイトレジャー向けの予約・分析システムです。作っているのは同じ業態を 16 年やって、年商 2 億円から 12 億円まで 6 倍にした人間で、営業を強く押したのではなく、仕組みで攻めた結果です。
**ここで効くこと …**受注に キャンセルという状態が付くので、件数が数えられます。 予約の時刻を持っているので、何時の枠かが分かります。 担当が付くので 担当ごとの偏りが並べられます。 客ごとの来店履歴があるので その後 来たかが追えます。
⚠️ 正直な所 …「何時間前にキャンセルされたか」は 近似です。 受注が最後に更新された刻は持っていますが、 キャンセルした後に別の更新があると ずれます。 帯を大きく分ける(前日まで / 当日 / 直前)なら 実用に足りますが、 分単位で争う用途には使えません。
**やらないこと …**キャンセル料は決めません。金額も 帯の切り方も 決めません。 **請求もしません。**出すのは 4 つの数と その分かれ方です。
他所が出していない出力
tasteck は「来月この集客経路にいくら使ってよいか」を、金額で出します。
キャンセルは 集客の質にも出ます。 特定の経路から来た客に 直前キャンセルが集まるなら、 その経路は 見かけの件数ほど 連れてきていません。 上限は「その経路が実際に連れてきた客の生涯価値」から出しているので、 来なかった予約は 価値に入りません。
キャンセル料を取るかどうかと、その経路に出し続けるかどうかは、同じ数字の上で比べられます。
この業界で、この数字を出している所は他にありません。
ChatGPT から聞ける
tasteck は MCP で ChatGPT に繋がります。自分の数字を質問の形で聞くと、そのまま chat に返ってきます ── 先月のキャンセルは何件か、担当別にどう分かれているか、先々月と比べてどうか。
**多言語は画面そのものに入っています。**言語は最初の設定で選びます。
2 店舗まで月 34 ドルから。全プラン 30 日無料、いつでも解約できます。 → 料金
今月から
- **先月のキャンセルを 3 つの帯に分ける。**前日まで / 当日 / 直前。
- **帯ごとの件数を出す。**多い所と 損が大きい所は たいてい別です。
- キャンセルした客が その後 来たかを見る。予定変更と失客は違います。
- 待った時間の損を 誰が負っているかを書き出す。店か、担当か。
- **入れるなら 直前の帯だけ 3 か月。**前日までは触りません。
用語の整理は用語集にあります → シフト / 本指名率 / LTV
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数字について。 この記事にキャンセル率の相場・帯ごとの割合・料金の水準は載せていません。そう言える実測を持っていないためで、業態・予約の取り方・地域で幅が大きすぎ、範囲を出せば精度を発明することになります。自店の 3 か月を 3 つの帯に分ければ、一律では見えない差が出ます。