領収書で 揉める ── 宛名と但し書きを 決めていない
会計の最後で 5 分 止まる。宛名・但し書き・分割・再発行の 4 つを決めていないので、その場の判断になり 人によって違う答えが出る。決めておく形と、決まったかどうかを測る 3 つの数。
会計は 終わりました。そこから 5 分 止まります。
「宛名は」「但し書きは」「分けてもらえますか」── どれも 決めていないので、その場の判断になります。
先に 3 行
一 揉めているのは 領収書ではなく【決めていない事】でございます
二 揺れるのは 4 か所だけ(宛名・但し書き・分割・再発行)
三 4 か所を 1 行ずつ 決めるのに かかるのは 30 分でございます
⇒ この 30 分を 取っていないために、毎晩 5 分ずつ 失っております。
一行で申しますと
領収書の揉めごとは、決めていない事が 会計の最後に まとめて 出てくる形でございます。
会計の最後は、その日でいちばん 直しにくい刻でございます。 お客様は お帰りになる所で、こちらは 次の席が 待っております。 ⚠️ いちばん急いでいる刻に、いちばん決めていない事を 判じさせているわけでございます。
揺れる所は 4 つ
一 宛名 …空欄でよいか・上様でよいか・会社名を そのまま書くか
二 但し書き …何と書くか(お品代/飲食代 など)
三 分割 …1 回の会計を 複数通に できるか
四 再発行 …無くした・書き損じた時 どうするか
⚠️ 四 が いちばん 危のうございます。 二重に 出してしまうと、こちらの側の記録が 合わなくなります。
4 つを 並べて 見る
| 揺れる所 | 決めていない時に 起きる事 | 決めておいた時 |
|---|---|---|
| 宛名 | 人によって 受ける範囲が 違う | 同じ答えが 返る |
| 但し書き | こちらが 用途を 決めてしまう | 求められた形で 書ける |
| 分割 | 忙しい刻に 判じる事になる | 可否と 上限が すぐ出る |
| 再発行 | 二重に出て 記録が 合わなくなる | 控えに 印が 残る |
⇒ 右の列は どれも「速い」だけではございません。 同じ答えが 返るという所が 効いております。
その場で決めると 揃わない
Aさん …言われたとおりに 書く
Bさん …「上様は…」と 渋る
Cさん …分割を 断る
⇒ お客様は 前の人と 違う事に すぐ 気づかれます。 ⚠️ そして 気づくのは 会計の最後でございます。いちばん 直しにくい所です。
なぜ 気づかれるか
領収書を お求めになるお客様は、同じ事を 何度も なさっている方でございます。 経費で落とされる方は 月に 何十通と 受け取っておられます。 ⇒ こちらの店だけ 答えが揺れると、それは すぐ 分かります。
⚠️ しかも お客様は その場では 何も おっしゃいません。 次に お選びになる時に 効きます。⇒ 失った事に こちらは 気づけません。
揃っていない事の 本当の値段
その場で失う …5 分(見えます)
後で失う …次に 選ばれない(見えません)
⇒ 見える方だけを 直そうとすると、速さの話になります。 速さは 二番目でございます。揃っている事が 先でございます。
一 宛名を 決める
何を 決めるか
一 空欄で お渡しするか
二 上様で お受けするか
三 会社名を 伺って そのまま書くか
四 書けない形が 在るなら それも 書く
⇒ 四 を 書いていない決めは、決めた事に なりません。 「できません」と言う場面が 残っているうちは、その場の判断が 生き残ります。
現場で そのまま 使える形
「お宛名は いかがなさいますか」 「──でしたら こちらで お書きいたします」 「──は お受けしかねますので、◯◯の形でも よろしいでしょうか」
⚠️ **三つ目が 要ります。**断る形を 用意していないと、断れる人と 断れない人に 分かれます。
よく在る 誤り
⛔ こちらから 宛名を 決めてしまう。 お客様が 空欄をご希望なのに「お名前を」と伺ってしまう形でございます。 ⇒ 伺うのは どう書くかであって、書くかどうかでは ございません。
二 但し書きを 決める
既定を 1 つ 置く
何も言われなければ これ、と 決めておきます。 ⇒ 既定が 在ると、迷いが 消えます。
⚠️ こちらから 用途を 決めない。 求められた形で 書けるかどうかだけ 決めます。 用途は お客様の側の事でございます。
書ける形と 書けない形を 分ける
書ける …求められた文言を そのまま
書けない …事実と 違う内容
⇒ 分け目は ここ 1 本でございます。 ⚠️ **事実と違う内容を 書くのは、速さの話ではございません。**別の話でございます。
税の扱いは こちらで 判じない
登録番号を 記載するか、どの様式で お出しするか ── これは 顧問の税理士様の 持ち場でございます。
⇒ 現場で 決めるのは 「伺ってから お出しする」までの手順だけでございます。 ⚠️ 様式そのものを 現場の判断で 変えないでください。
三 分割を 決める
なぜ 求められるか
複数名で 割られる
経費の枠が 分かれている
⇒ どちらも こちらを困らせるためでは ございません。 相手の側にも 決まりが 在るだけでございます。
決めるのは 2 つ
一 できるか できないか
二 できるなら 何通まで
⚠️ 二 を 決めていないのが いちばん多うございます。 「できます」とだけ決めると、忙しい刻に 5 通 求められて 止まります。
上限の 決め方
1 通を 書くのに かかる刻 × 通数 = 会計に 足される刻
⇒ 足される刻が 次の席に 効かない範囲を 上限に なさってください。 手で書いておられるなら 1 通 1〜2 分。3 通で 5 分でございます。
断る時の 形
「恐れ入ります、◯通までとさせていただいております」
⚠️ 数を 言えるかどうかが 分かれ目でございます。 数を 決めていないと「難しいです」になり、難しいの中身が 人によって 違います。
四 再発行を 決める
いちばん 危ういのが ここ
元の分を どう 扱うか(控えに 印を残す)
誰が 決めてよいか
⚠️ 記録に 印を残さないと、後で 二重に見えます。
二重が なぜ 起きるか
一 出した記録が その場だけに 在る
二 別の人が 別の日に 求められる
三 前に出したか どうか 分からない
四 分からないので お出しする
⇒ 三 が 起点でございます。 記録が 引けないので、分からないまま 判じる形になります。
印の 残し方
元の控えに 再発行の日と 誰が出したかを 1 行
再発行した分にも 元の日を 1 行
⇒ 両側に 残すのが 効きます。片側だけだと 片側からは 引けません。
誰が 決めてよいか
⚠️ これを 決めていない店が 多うございます。 決めていないと、その場に居た人が 決めます。 ⇒ 再発行だけは 役の在る方に 寄せてください。 頻度が 低いので、寄せても 手は 増えません。
訊く刻を 前へ 動かす
いちばん効く直しは、訊く刻を 前に 動かす事でございます。
後で訊く …会計の最後に 止まる
先に訊く …「領収書は お入り用ですか」を 席で
⇒ 先に伺えば、書く時間を 待たせずに 用意できます。
どれくらい 変わるか
後で訊く形 …伺う → 書く → お渡しする(全部 会計の中)
先に訊く形 …伺う(席)→ 書く(会計の前)→ お渡しする だけ
⇒ 会計に 残るのは お渡しする分だけになります。 3 つの手のうち 2 つが 前へ 動く形でございます。
伺う刻の 決め方
⚠️ 早すぎると お客様が 忘れられます。 お会計の話が 出た所、または ラストのご案内の所が 収まりが良うございます。
手で書くか 出すか
手書き …様式は自由・刻がかかる・字が読めない事が在る
印字 …速い・様式が固まる・書き換えられない
⚠️ どちらが良いかは 通数で 変わります。 月に 数通なら 手書きで 足ります。 毎晩 出ておられるなら、印字の方が 揃います。
揃うという事の 中身
印字にすると 人による差が 消えます。 ⇒ 揺れていた 4 か所のうち、宛名と 但し書きの 書き方が 固まります。 ⚠️ ただし 決めていない事は 印字にしても 決まりません。 何を既定にするかは、やはり 先に 決める必要がございます。
数えておく 3 つ
一 会計で 5 分以上 止まった件数(月)
数え方 …会計の始まりと お見送りの差が 5 分を超えた件数 ÷ 会計の総数
⇒ 決めた後に 下がらなければ、決めた事が 現場へ 届いておりません。
二 再発行の件数
⚠️ 多いなら 手順が 決まっておりません。
数え方 …月の再発行 ÷ 月の発行総数
⇒ 上がっている月は、控えが 引けていないとお考えください。
三 同じ場面で 別の答えが 出た件数
数え方 …お客様から「前は◯◯だった」と言われた回数
⇒ この数は お客様しか 数えられません。 言われた分を 1 行 残すだけで 出ます。⚠️ 残していない店が ほとんどでございます。
3 つの見方
一 が下がって 三 が下がらない …速くなっただけで 揃っておりません
三 が下がって 一 が下がらない …揃ったが 刻が かかっております
二 だけ 上がる …控えが 引けておりません
⇒ **三つを 別々に 見てください。**1 つにまとめると どれが 動いたか 分かりません。
決める手順(30 分)
一 4 か所を 手元に 書き出す(5 分)
二 それぞれ 1 行で 決める(15 分)
三 断る形の 台詞を 3 つ 書く(5 分)
四 誰が 決めてよいかを 決める(5 分)
⚠️ 三 を 飛ばさないでください。 決めだけ在って 言い方が無いと、言える人だけが 決めどおりに 動きます。
決めた後に すること
決めた 4 行を 会計の場所に 置く
新しく入られた方に その 4 行を 渡す
⇒ 渡していない決めは、決めた人の中にしか 在りません。
よく在る 誤り 4 つ
⛔ 一 4 つを まとめて「領収書のルール」にする ⇒ 4 つは 別々の話でございます。まとめると どれも 決まりません。
⛔ 二 決めを 長く書く ⇒ 会計の最中に 読める長さでないと、読まれません。1 行ずつでございます。
⛔ 三 断る形を 書かない ⇒ 断れる人と 断れない人に 分かれ、揃わない元に 戻ります。
⛔ 四 決めた事を 測らない ⇒ 現場へ届いたかどうかが 分からないまま、決めた事で 満足いたします。
但し書きの 具体例
求められる文言は、だいたい 決まっております。 先に 一覧にしておくと、その場で 迷いません。
| 求められる文言 | お受けできるか | 備考 |
|---|---|---|
| お品代 | 決めておく | いちばん多く求められます |
| 飲食代 | 決めておく | 事実と 合っていれば |
| 会議費 | ⚠️ お客様の側の区分 | こちらが 判じる事では ございません |
| 御中元・御歳暮 | ⚠️ 事実と 違う場合が 在ります | 線を 決めておいてください |
⇒ 右端の列が 決めでございます。 ⚠️ 「お受けする/しない」だけでなく、なぜそうするかを 1 行 添えてください。 理由が無い決めは、忙しい夜に 破られます。
事実と 違う文言を 求められた時
断る形を 1 つ 用意しておく
「恐れ入ります、そちらの文言では お出しできかねます」
「◯◯の形でしたら お出しできます」
⇒ 代わりの形を 添えるのが 効きます。断るだけだと そこで 止まります。
現金と カードで 分けて 考える
現金 …その場で 完結いたします
カード …売上が 立つ刻と お金が動く刻が ずれます
⚠️ ずれる方で 揉めます。 決済が 通っていないのに 領収書だけ 先に出す形が 起こりえます。
順を 決める
一 決済が 通った事を 確かめる
二 それから 書く
⇒ 当たり前に 見えますが、忙しい夜に 逆になります。 ⚠️ 逆になった夜が 1 度でも 在れば、それは 決めていない証でございます。
決済が 通らなかった時
書いてしまった分を どう 扱うか
⇒ ここも 再発行と 同じ扱いに なさってください。 控えに 印を残す── 一本 同じ形で 通ります。
団体・法人の お客様
一 お一人ずつか まとめてか
二 宛名が 会社名になる
三 後日 郵送を 求められる事が 在ります
⚠️ 三 を 決めていない店が 多うございます。 その場で お渡しできない形が 出ますと、誰が いつ 送るかが 宙に浮きます。
後日お渡しの 決め
誰が 用意するか / いつまでに / どうやってお渡しするか
⇒ ⚠️ 「いつまでに」を 決めていないと、忘れられます。 忘れられた事に こちらが 気づくのは、次に お越しになった時でございます。
夜の担当が 変わる時
領収書の話は 引き継ぎに 乗りにくい種類でございます。
「後で お持ちになります」
「お連れ様の分を まとめて」
⇒ これが 伝わっていないと、次の担当は 一から 伺い直します。 ⚠️ お客様から見ると 二度 訊かれた形になります。
⇒ 伝わらない形については 店内の連絡が 伝わらない に まとめております。
新しく入られた方へ 渡す 覚え書き
一 4 か所の決め(1 行ずつ)
二 断る時の 台詞 3 つ
三 再発行は 誰に 回すか
⇒ 三つで 足ります。 ⚠️ これ以上 長いと、読まれません。読まれない決めは 在っても 効きません。
渡した後に 1 回 見る
最初の 1 週間で 1 度、実際の場面を 見る
⇒ 決めどおりに 動いているか、言い方で 詰まっていないか。 ⚠️ 詰まるのは たいてい 断る場面でございます。
3 か月後に 見直す
一 断った件数が 増えていないか
二 再発行が 減ったか
三 「前は◯◯だった」と 言われた回数
⇒ ⚠️ 一 が増えているなら、決めが 厳しすぎます。 決めは 守るためではなく、揃えるためでございます。
決めを 変える時の 形
誰が 変えてよいか / 変えた事を どう 伝えるか
⇒ ⚠️ 二つ目を 決めていないと、決めは 変わったのに 現場は 前のままになります。 ⇒ ⇒ そうなると 同じ場面で 別の答えが また 出ます。振り出しでございます。
よくある問い
Q. 宛名の空欄は お受けしてよろしいのでしょうか。 ⇒ 税や法の側の判断は 顧問の先生の持ち場でございます。 現場で決めるのは「伺ってから お出しするまで」の手順だけでございます。
Q. 分割は 何通までが 妥当でしょうか。 ⇒ 妥当な数は 在りません。次の席に 効かない範囲で お決めください。 1 通 1〜2 分でしたら、3 通で 5 分でございます。
Q. 再発行を 断ってもよいのでしょうか。 ⇒ 断る・断らないより、印が 残るかどうかが 先でございます。 印が残る形になっていれば、お出ししても 記録は 合います。
Q. 印字にすれば 揉めなくなりますか。 ⇒ 書き方は 揃いますが、決めは 揃いません。 何を既定にするかは、印字でも 手書きでも 先に 決める必要がございます。
Q. どこから 手を付ければ よろしいでしょうか。 ⇒ 再発行でございます。4 つのうち、後で いちばん 高くつく所です。
締めが 伸びると 再発行が 増えます
⚠️ 締めが 伸びている店では、領収書の控えを 引く刻も 伸びております。 ⇒ 引けないので 再発行が 増え、⇒ 増えるので さらに 引けなくなります。
溜まる形
締めが伸びる ⇒ 控えが引けない ⇒ 再発行が増える ⇒ 記録が濁る ⇒ さらに引けない
⇒ ⚠️ どこか 1 か所を 切れば 止まります。 いちばん切りやすいのは 再発行に 印を残す所でございます。
隣の話
⚠️ ツケでお受けになっている場合は、お金が動く前に 領収書を求められる場面が 出ます。 ⇒ 回収の側の形は ツケの回収 に まとめております。
キャンセルを頂いた分の扱いも、同じ「決めていない」形でございます。 ⇒ キャンセル料の 決め方
会計の最後で 揉めた分が そのまま お申し出になる事も ございます。 ⇒ 受け方については クレームの 受け方 に 書いております。
揉めているのは 領収書ではありません。決めていない所が 会計の最後に 出てくるだけでございます。
記録が残る所に置く
上の三つの数は、受注と精算が 同じ所に 残っていないと 出せません。
控えが その場だけだと、再発行が 二重かどうか 分かりません。 ⇒ 「たぶん 前に出しています」で 終わり、数が 合わなくなります。
精算の側と 繋がっている事
領収書は 精算の 最後に 出る物でございます。 ⇒ 精算そのものが 遅れておりますと、領収書だけを 速くしても 動きません。
締めが伸びる形については 精算の締めが 伸びる に、 入金と支払を 分けて見る形については 精算・回収と 支払は 別の時計 に まとめております。
⚠️ ツケでお受けになっている場合は、領収書を出す刻と お金が動く刻が ずれます。 ⇒ ツケを どこで 止めるか を 先に 決めておかれた方が よろしうございます。
お客様の側の記録に 何を残すかは 顧客台帳に 何を残すか に 書いております。
tasteck では 精算が 受注に 紐づくので、出した記録が そのまま 残ります。 ⇒ 再発行の際に 前に出したかどうかを 引けます。
⚠️ ただし ツールは 最後でございます。先に 4 つを 1 行ずつ 決めてください。 決まっていない事は、どこに 記録しても 決まりません。